sat's blog

2010/05/21

講談社 アフタヌーンKC661 『新装版 ヨコハマ買い出し紀行 9』芦奈野ひとし 著 を読む

本著は2003年から2005年にかけて「月刊アフタヌーン」誌上で連載されたものを単行本化し、2010年に新装版として再単行本化したものである。

この作品は本当に不思議な作品だと思う。
まず、何回も読み返してしまうし、飽きることがない。
また、作品自体も飛躍することはないのであるが、やはり全巻と比べて考えてみると明らかに違うのである。
読者である俺が、この作品の主人公である初瀬野アルファさんと同様に時間が固定され、人間たちの成長についていけないかのようである。
人間たち、老人は徐々に老いるが若者たちの成長の早さには面食らってしまう。
この作家、確信犯としてこれをやっているのであれば「さすが」と言うしかない、星雲賞の受賞も不思議ではないということだ。

登場するロボットたちの人間性の豊かなこと、ただ時の流れに乗れないということ。
ある意味、すごく登場人物にとっては非常に辛い物語なのかもしれないと思う。
(A+)

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