sat's blog

2009/10/07

角川書店 角川文庫 あ10-12,23『新帝都物語 維新国生み篇 上・下』荒俣宏 著 を読む

本著は2007年に単行本として刊行され、2009年に文庫本として刊行されたものである。

本シリーズの最初の作品『帝都物語』をわくわくして読んだのはいつのことだっただろうか。
本来、敵役である「加藤保憲」という怪人に惹かれ、「加藤保憲」を読みながら応援している自分が不思議でならなかった。

第一シリーズである『帝都物語』でも、第二シリーズである『機関童子』でも、この『新帝都物語』でも怪人「加藤保憲」は反権力の立場におり、その権力の作った秩序を破壊しようとする、私にとっての“ダーク・ヒーロー”なのであるからして、感情移入が激しいのではないかと思う。

結果として「加藤保憲」の“野望”は、「加藤保憲」のよりどころとする平将門に裏切られ果たされることはないのだが、いつもどこかで「加藤保憲」を応援している自分に気がつくのである。

あり得ない話だが、『帝都物語2009』で“平成の政権交代”も書けるんじゃないかとも思うのである。

たぶん、『帝都物語』シリーズはこの先も続いていくであろう。
願わくば怪人荒俣宏氏よ、また存分に楽しませてほしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]



<< ホーム