sat's blog

2009/11/14

『沈まぬ太陽』を観る

本作品は山崎豊子氏原作の同名小説を映画化したものである。

本作品のパンフレットを購入して驚いた、3ページ目と裏表紙に「映画『沈まぬ太陽』は、山崎豊子の作品をもとに映画化したフィクションです。登場人物、団体はすべて架空のものであり、実在の人物、団体等とは関係ありません。」と2箇所にも書かれている。
しかし、主人公にはモデルとされる人物がおり、ある航空会社の過剰な反応を見るとき「国民航空」がどの航空会社を指しているのかは子供でもわかることである。
この作品と小説はその航空会社にはよっぽど面白いものではないらしく雑誌や社内報に“反論”を試みているが、その行為自体が自分の首を絞めているように思う。

たしかにこの作品や小説のとおりにすべてが動いたわけではない。
しかし人物や設定が少々入れ替わっていても、この航空会社がやってきた労務政策の誤りは消し去るわけにはいかないであろう。
現在のこの航空会社の経営危機はこうした人間無視の姿勢の積み重ねの結果ではないだろうか。

真実に近い、真実を素材に構築されたフィクション作品のもつ力は、その航空会社で不当に差別されている人たちに勇気を与えるだろう。
いや、その航空会社だけではない、あらゆるところで不利益を与えられている人々に勇気を与える作品になったと思う。
(A++)

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