sat's blog

2010/04/28

小学館 BIG COMICS SPECIAL BCS3117 『新ブラックジャックによろしく【移植編】 8』佐藤秀峰 著 寺澤広蔵 編集 を読む

本著は「週刊ビッグコミックスピリッツ」誌上で2009年から2010年に連載したものを単行本として2010年に刊行したものである。

この作家はどうしてこういった困難な題材に向かうのだろうか。
結論の出たものを、世間で一定の世論が形成されているものを描いたところでドラマにはならないとは思うのだが、方向性が定まっていない問題に果敢に挑んでいく。
だから物語に引き込まれていくのであろうが、作家としての産みの苦しさは想像できる以上のものなんだろう。

この作家は作品外の事でよく“事件”を引き起こしている。
ある意味、この作品の主人公のような性格なのであるのかもしれない。
数日前、次号コミックスの表紙は描かないと宣言したと報道があった。
「おかしいと思ったものはやるべきではない」という信念を持っているのだろう。
そうした作家の心情が作品にも、ストーリー展開にも反映しているように思えてならない。
【移植編】も大詰めである。
この作家は【移植編】でこの物語に決着をつけるのであろうか。
書籍という発表メディアに執着を持っていないような発言も行う作家であるから、雑誌上での発表からWebに発表の場を変えていくのかもしれない。
でも、あえて言わせてもらえば「私は書籍で読みたい、持っていたい」と思う。
(A+)

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