sat's blog

2010/09/17

徳間書店 徳間文庫 た-30-3 『JR瀬戸大橋線の危機』種村直樹 著 を読む

本著は1989年に単行本として発刊されたものを1993年に文庫本として発刊したものである。

レイルウェイ・ライターを自称する作家のミステリー小説である。
もちろん舞台は鉄道である。
鉄道という舞台でのミステリーは、さすがレイルウェイ・ライターである。
しかし、残念なのはこの作家の鉄道での土俵はいわゆる“乗りテツ”であり、技術的な分野には弱いことである。
トリックの一つ、CTCのくだりは残念ながら無理な設定である、現実にはできはしない。
そういう欠点を含みつつも、この作家のミステリー小説は読んでいて楽しい。
社会問題と無関係ではないことが作品の質を上げているのだろう。

近年、この作家は発表の土俵が狭くなり量的にも減った、残念なことである。
引退するにはまだ早い、新作を期待してやまない。
(A-)

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