sat's blog

2009/04/09

光文社 光文社新書『下流社会 新たな階層集団の出現』三浦展 著 を読む

本著は2005年に刊行された。

「上流社会」「中流社会」という言葉はよく聞くが、「下流社会」という言葉はあまり聴きなれない言葉だ。
小泉内閣以降の格差社会の拡大は新たに「下流社会」を作り出した、というよりも「中流社会」を極少数の「上流社会」と「下流社会」の2極化をまねいた。
生活保護か生活保護ぎりぎりの収入で生活をやりくりする「下流社会」に住む人たち、それは今後「自公政権」やそれに代わる勢力が格差社会の是正を行わない限り日本国民の9割以上が属することになるであろう。
そして、一度「下流社会」に落ち込むとその子どもたちが「上流社会」に行くことはきわめて難しい、“格差の固定化”が進む。
“55年体制”は保守対“革新”の勢力が均衡していたため一定の社会的保証も得られたし、「一億中流化」によって“皆がそれなりに生活が向上”したが、“55年体制の崩壊”は「下流社会」=貧困層の拡大・固定化を促進した。

今年の秋までには行われる総選挙の結果によっては政権政党が代わることもあろう。
しかし「自公」も「民主」も基本的な政策は五十歩百歩であり、根本的な格差社会の是正は期待できないであろう。

今の日本人は“飼いならされている”のだろうか。
安保闘争のあのエネルギーはどこにいったのであろうか。

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