sat's blog

2009/03/12

角川書店 単行本コミックス『地を這う魚 ひでおの青春日記』吾妻ひでお 著 を読む

またもやマンガである。

私は昔からこの作家がお気に入りである。
SFを少しちりばめたギャグのセンスはたいしたものだと思う。
しかし、ギャグマンガは己の才能を削り取りながら描かれるものらしい。
各種の賞を受賞した『失踪日記』に赤裸々に描かれていたように、ギャグを作り出す重圧に精神を侵されかけたらしい。
特に、“売れれば勝ち”のマンガ週刊誌に使い潰されていく作家は悲惨である。
「アンケートシステム」で下位に甘んじれば次の仕事は来なくなる。
己の身を削って作られたギャグに笑っているが、その生産方法の方がはるかに悲惨なギャグなのである。

その結果、この作家は多作を止め寡作となった。
もっと読みたいと思うのだが、この作家の作家人生を縮めるような無理な要求は出すまい。

欝と言う病気もあって少々暗いマンガではあるが、充分楽しめると思う。

身体をこれ以上壊さない程度でいいから頑張って欲しいと思う。

(A)

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