sat's blog

2009/02/28

平凡社 別冊太陽『土門拳 鬼が撮った日本』を読む

本著は写真家、故土門拳氏の生誕100年を記念して発刊された。
氏がなくなったのが80歳であるから、20年が経とうとしているのだ。

氏は“鬼”と呼ばれた、“写真の鬼”だ。
戦前から戦中にかけて日本政府のプロパガンダ企業であった「日本工房」に入社して頭角を現し、戦後写真界にリアリズム運動の大きな波を起こしてきた。
氏ららが戦後の日本写真界の方向を作り、引っ張っていったのは間違いはない。

しかし、今の日本の写真界にはこうした“鬼”がいるのだろうか。
そして、アマチュアではあるが私自身の写真に対する取り組みは、“鬼”にどのくらい近づいているのだろうか。
氏の起こしたリアリズム写真運動を引き継いだ団体に所属しながら、“鬼”には程遠いなぁ、と思うのだ。

氏の撮影した写真を何十年も経って改めて目にする、まことに恵まれていると思う。
氏のみならず戦後日本の写真界の重要な作品を見ようとすれば見ることが出来るのだ。

ただ見るだけではいけない、本著を読んでそう思う。
“鬼”を継ぐ気概も引き継がねばならない。
日本写真の進みをこうして振り返るのは、次に進むためにあるためのものであるからである。

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