sat's blog

2006/11/01

「自動車絶望工場 -ある季節工の日記-」を読む

しっかりした本が読みたくくなり、近くの古本屋で「自動車絶望工場-ある季節工の日記-」(徳間書店 鎌田慧 著)を買い(200円)、読んだ。
最近はほんの読むスピードが落ちているので3日くらいかかるかな、と思ったのだが1日で読みきってしまった。
作者の文章力がひきつけてしまうのだ。

このルポルタージュ作品の傑作は1973年初版だから30年以上前の作品である。
まるで『女工哀史』の世界である、自ら応募してきた奴隷というべきか。
読んでいてとても30年以上前の話と思えなくなった、
インフォーマル組織による戦う労組破壊、労使協調政策による労働者の絶望感、繰り返される“カイゼン”が労働者の人間性を破壊していく。
これが世界に誇るトヨタのカンバン方式として導入を図られているものの本質か。
30年前を少しも変わっていないのではないか。

日本という国はこれだけ国民をいじめつくしてどこへ行こうというのだろうか。
その先がどんなに「美しい日本」であっても、さぞかしすみにくい国なんだろうと思う。

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