sat's blog

2009/01/20

宝島社新書『ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る』門倉貴史 著 を読む

この著書は2年2ヶ月前に発行された本である。
小泉内閣から安倍内閣に変わったころである。

「古い自民党をぶっ壊して政治経済の構造改革を行う」のワンフレーズで行った結果は、「格差社会」の登場を招き貧富の差を拡大させた。
「ワーキングプア」「ホームレス」「生活保護世帯」「非正規労働者」を急増させたのは「構造改革」の唯一最大の成果と言えるのではないだろうか。
その先方を担いだ小泉純一郎を“熱狂的”に担ぎ出したのは、「ワーキングプア」「ホームレス」「生活保護世帯」「非正規労働者」に押し込まれた人たちであったというのは皮肉なことである。

こういう私自身、自分は“負け組”ではないとどこか勘違いをしているのであるが、いつ“負け組”に転落しても不思議がない社会にすでに日本はなってしまっている。
この著書は予言書であったとも言える。

しかし、この国の経済界を背負う人間たちはたかだか百万円から二百万円の年収で生活する“負け組”の姿を見て、良心の呵責がないのだろうか。
日本は経済制度として資本主義を採用している。
だから「勝者が総取り」しても良いとでもいうのだろうか。

日本国憲法が保障しなければならないとした「文化的で最低限の生活」はすでに有名無実と化している。
この秋までには総選挙が行われ、たぶん政権が変わるだろう。
しかし、その政権が真に「ワーキングプア」「ホームレス」「生活保護世帯」「非正規労働者」の問題を解決できるかどうか、私たちは良く考えて選択していく必要があるだろう。

(A+)

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