sat's blog

2009/11/17

文芸社『俺たちの翼 巨大企業と闘った労働者の勇気と団結』土井清 著 を読む

本著は2003年に発刊された。

本著の作者は日本航空に勤務し、日航労組で“当たり前のように労働者の権利向上のために”闘ってきた方である。
それを日本航空は嫌悪し、賃金差別、昇進昇格差別、不当配転とあらゆる攻撃を受けながらもくじけずに闘ってきたのである。
『沈まぬ太陽』の一人と言ってもよかろう。

日本の民主主義は“与えられたもの”だけに、欧米と比べて弱者が弱い立場に追い込まれている。
会社という組織と、労働者個人個人は、その持っている力は雲泥の差がある。
だから、「万国の労働者、団結せよ」なのである。

しかし会社側も「馬鹿」ではないから、卑劣な手段を使って労働者を分断してくる。

「普通の人間」が不公平に気がつき、みんなのために闘っていく姿には頭が下がる。
「おとなしく会社の言うことを聞いていれば」、どんなに楽だったか知れない。
しかし、人間としてそれができなかったのだ。

こうした人がまだ日本にはたくさんいる、残念ながら多数派を形成してはいないが。
でも、こうした人の存在はこんな日本という国もまだ捨てたものではないのだな、と思うのである。
(A)

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]



<< ホーム