sat's blog

2009/08/15

こまつ座第八十八回公演 『兄おとうと』 井上ひさし 作 鵜山仁 演出 を観る

本作品は2003年に初演され、2006年に再演、2009年に三演ということになる。

本作品の主人公は大正デモクラシーの旗手である吉野作造氏である。
井上ひさし氏は“平成”のデモクラシーの危機に、大正デモクラシーの吉野作造氏の物語を持ってきたのは間違えはないだろう。
“大日本帝国”時代の日本で命をかけて大正デモクラシーを作り上げ、結果的には軍部を中心とした勢力に急速に右傾化され、戦争に突入していくのだ。
井上ひさし氏は現在の日本の状況を見て、憲法第9条など日本の危機的状態に大正デモクラシーからの物語を見えてきたのではないだろうか。

歴史の汚点は二度と繰り返してはならない。
政権交代が確実だと言われている総選挙も目前に迫っている。
しかし、「自民・公明」政権と「民主・社民・国民」政権に歴史を前進させようとするような本質的な違いはない。
選挙制度によって作り上げられた二大政党が本質的に違いない時、残された希望は国民の目覚めである。

井上ひさし氏と共に歴史を前進させるために頑張らなきゃいけないな、と思う演劇であった。
(A)

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]



<< ホーム