sat's blog

2009/12/07

講談社 KCノベルス 『小説 ヨコハマ買い出し紀行 -見て、歩き、よろこぶ者-』 香月照葉 著 芦奈野ひとし 原作 を読む

本著は、マンガ『ヨコハマ買い出し紀行』のノベライズとして2008年に発刊された。

本著は、マンガ『ヨコハマ買い出し紀行』の世界の約50年後の世界が舞台である。
マンガ『ヨコハマ買い出し紀行』の主要な登場人物は大幅に整理され、「アルファ」「おじさん」「タカヒロ」「ミサゴ」「子海石先生」「アルファー」が登場する。
ネットでは「ココネ」「マッキ」たちが登場しないことに不満を表明した批評もあったが、私はこれはこれで正解だったと思う。
登場人物が多ければ多いほど物語は拡がるが、紙数が限られている作品では妥当な判断だと思う。

新登場人物は「宇布見」「オメガ」、この「オメガ」が語り部となる。
原作の“ふわふら”した感じは残念ながらなくなり、少し悲しい深刻な物語となった。
エピローグをここで紹介するとネタバレとなり、野暮なのでやめておくが、作者の“反省”の現われなんだろうと思う。

しかし、本著を読んで『ヨコハマ買い出し紀行』の全貌の一端がわかったような気もする。
「そうなんだ、『ヨコハマ買い出し紀行』は世紀末のお話だったんだ」と、改めて認識したのである。
(A-)

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