sat's blog

2006/02/16

想定外と技術者

10年くらい前からエレベータのカゴの中、腰くらいの位置にスイッチが付いてきたのだが、よく目につくのでご存知のことと思う。
“身障者”用スイッチである。バリアフリー対策が推奨されたこともあり普及してきたものと思う。
“健常者”にもなかなか使いやすく、よく使われている。

私は使わないことにしている。このスイッチ、ほとんど知られていないが実は少しだけ機能が違うのだ。
ほんの少しだけだがドアの開閉時間が長くなる。
車椅子を利用する人へのエレベータ設計者からの小さな心遣いなのである。

“身障者”を想定したスイッチが本来の想定どおりに使われていないのだ。
その“ペナルティ”として少しだけ時間を浪費させられている。
いま容疑者となったホリエモンの言葉じゃないが、想定外というところか。

技術者は当然あらゆる場合を想定して設計する、しかし、実際には想定外のことが頻発する。
真に使いやすいものはその想定外とどれだけ真剣に向き合ったかで決まると思っている。
しかし、なかなかそういうものにお目にかかることがない。

技術者が良心を捨て手を抜いているのだろうか、それとも想定外を検証するつもりがないのだろうか。

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