sat's blog

2009/02/13

光文社新書『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』城繁幸 著 を読む

本著は2006年に発刊され、わずか1ヶ月で5刷を発行した、売れているのである。

先日読んだ『ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る』も考えさせられたけれども、我々中高年にとっても「若者が3年で企業を辞めてしまう」現実は人事ではない。
「構造改革」が日本のあらゆる秩序を破壊し、弱肉強食の競争社会にしてしまった。
「能力のあるものは勝ち、能力のないものは恵まれることはない」というが、果たして能力があり恵まれた生活を送っている者たちがどれほどいるのだろうか。

このような日本にしたのは小泉純一郎氏もそうであるが、バブル崩壊前の国鉄の「分割・民営」化を推し進めた中曽根康弘氏であるし、「日本列島改造」で国土を破壊し財政破綻の種をまいた故・田中角栄氏ら歴代の政府・自民党の主導者たちである。
また、それを見抜けず踊らされてきた私たち国民の責任でもある。

年功序列が「日本型みんなで一緒労使関係」だと一方的に“悪平等”だと攻撃されたとき、「日本型労使関係」の利害をとことん研究してきたのだろうか。
諸外国(主にアメリカ合州国を中心とする欧米諸国)の「ドライな労使関係」が持ち込まれ、“能力のある人間”にもてはやされたとき、国民みんなが「私には能力がある」ととんでもない勘違いをしてしまったのだ。
経営者たちはそこに付け入った。

体制が変わるとき、“火事場泥棒”的に利益を独り占めにしてしまうものが得てして出てくるものだ。
ホリエモンなど代表的なものだろう、いや、道化に過ぎない小物であるか。

日本という国は敗戦直後からの経済復興を支えてきた高齢者に鞭を打ち、これからの若者たちの無限の可能性を無慈悲にも踏み潰している。
ああ、なんていい国なのであろうか。

これでは結婚しても子どもなんか『産んではいけない!』とばかり少子化に突き進むことになる。

どんなに遅くとも秋までにある総選挙はこうした日本の進む道を変える一つの道である。
しかし、現在の自民党・公明党政権が民主党を主体とした政権に代わったとしても、本質的には何も変わる事はないと思う。

本著を読んでみて、どこに行けばいいのか、途方にくれるしかない。

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