sat's blog

2009/02/07

BUNCH COMICS『コンシェルジュ14』原作 こしぜきゆきひで 漫画 藤栄道彦 を読む

本著はマンガである、もちろんマンガも読むのである、というかマンガは大好きである。
ただし、マンガの傾向はかなり偏っていて何でも良いというものでもない。
今読んでいるマンガはちょっと高い関門を抜けてきたものだと思っている。

マンガはまず絵が大切である。
内容がよくても絵でまず選んでしまうので、どんなに内容が良くても目に入ってこない。
汚い絵は問題外であるが、綺麗な絵というのではなく、引き付ける絵である。

次に内容である。
ただだらだら続いているマンガは1,2度読んで離れていってしまう。

『コンシェルジュ』はこうした関門を通り抜けて読み出し、10巻を越える頃には次の巻が出るのを待ち遠しく待っているようになってきた。

気がつかれた方がいるかもしれないが、実は本著を発売予定日の2日前に購入して読んだ。
抜け駆けの発売をする書店があるのである。
普通の書店の書棚に並ぶのは明後日である。
何年か前、マンガ週刊誌を発売予定日前に売ってしまうことで問題になった書店があったが、単行本ではまだ残っている。
読者にしてみたらその書店に行けば1,2日早く読むことができるので“便利”であり、その書店にとっては儲かるのであるが、一般書店にしてみれば不公平だ。

さて、本著は新潮社が発行する「週刊コミックバンチ」に連載されている『コンシュルジュ』を単行本にまとめたものである。
コンシュルジュとは本著や石ノ森章太郎氏の『ホテル』などの影響により段々と知られる職種になってきた。
「客の望みにノーと言わず努力する」職種・コンシュルジュの紹介マンガから、だんだんとキャラクターたちの個人的内面的なマンガにと昇華してきたことによって魅力が上がってきたものと思う。

ただ、長期連載マンガにありがちなのだが、キャラクターがだんだんと増えてきているのが気になるところだ。
数多い魅力的なキャラクターは読者を引き付けるしマンガのストーリーに幅を持たす面もあるかもしれないが、ストーリーが散漫になり薄れてくる心配もある。
著者たちのお手並み拝見といこう。

ホテルという人間の集まる“世界”でのドラマである。
ネタはまだまだ尽きないだろう。
「週刊コミックバンチ」を支えていく作品になっていってもらいたいものである。

(A+)

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