『日本リアリズム写真集団浦和支部 第1回写真展』を観た。
同じ集団に属してはいるが、支部が違うと雰囲気が異なる。
特にDMは洒落た感じがして惹かれたのだ。
この写真展は言わば身内の写真展、だからこそ厳しく感想を述べる。
『娘たちの日常』 紀平いずも 氏
家族しか撮る事のできない作品である。
残念なのは娘さんの視線が来ていないこと、どうしても写真が弱くなってしまう。
『東京マップ』 新沢久美子 氏
DMに使われた作品は強さを感じたが、被写体の強さだったのかもしれない。
個々の写真をもっと強くしなければ。
『浅草参り』 岩渕利彦 氏
1枚1枚をもっと大切にして欲しいと思う、もったいない。
仲見世を行く老婦人がいい味を出している。
『台北』 佐川正則 氏
タイトルを見ないで観たら日本の光景かと思った。
それはそれで面白いはずなので、撮り方に工夫が必要なのだろう。
『樹木の妙』 瀧川泰生 氏
ありふれた風景写真なのだけど、1枚1枚はしっかりと撮れている。
風景写真は細かなところまで磨き上げて闘う、厳しい分野だ。
『色は匂へど』 増田靖夫 氏
面白い着眼点、デジタル写真ならではのものだ。
冗長さを削っていけばもっとよくなるだろう。
『はざま』 秋山芳廣 氏
作品の見せ方は好きではないが、1枚1枚はしっかりした写真である。
なにも枚数勝負に持ち込むことはなかったのではないか。
『春を遊ぶ』 石沢俊彦 氏
はたして8枚もの写真が必要だったのか。
また、望遠レンズで撮っているためどうしても弱くなる。
そして人物を撮るのか花を撮るのか、絞らねばだめだ。
『冬枯れ』 髙橋泰江 氏
面白い絵作りだが、肝心のもののピントが甘くなったのが悔やまれる。
『時は過ぎゆく』 髙橋泰江 氏
何を撮りたかったんだろう、それが伝わってこない。
『扉』 髙橋泰江 氏
扉をもっと大切に撮って欲しかった。
『夏の終わりに』 髙橋泰江 氏
はたして“夏の終わり”が写っているのか。
『遠き日々』 髙橋泰江 氏
作者が撮りたい言いたい事と、写ったものが違うような気がする。
(B+)