sat's blog

2009/05/30

『天使と悪魔』を観る

『天使と悪魔』を観に行った。

最初に書くが、この映画を観に行く前に原作は読まないほうがいい。

前作『ダ・ビンチ・コード』が傑作と言ってよいほどの出来だったので、かなり期待して行った。
簡単に言うなら、単行本2冊、文庫本3冊分のストーリーを2時間程度に押し込むのにかなり苦労をしてしまったようだ。
かなりエピソードが整理されていたが、それでも盛り沢山で忙しい映画であった。
原作者も製作総指揮に参加しているようだが、原作が盛りだくさんであったためかなり無理をしてもやはり無理のようであった。

「ロバート・ラングドン」シリーズの原作は今後も予定されており、たぶん映画化も続くだろう。
ダン・ブラウン氏にお願いしたいと思う。
今後の作品は映画化も想定して作って欲しいと思う。
原作のどんでん返しの楽しさが映画化によって損なわれるのは残念である。
(B+)

2009/05/21

JTBパブリッシング キャンブックス『10系以降の新製客車と事業用客車を網羅 国鉄鋼製客車Ⅱ』岡田誠一 著 を読む

本著は2009年に発刊された、車両系“テツ”のためのガイドブックである。

おりしも東京駅から出発する九州行きの客車寝台特急(ブルートレイン)が全廃され、客車列車は風前の灯となってしまった。
少し前におこった「廃線マニア」にも共通する、無くなり行くものへの哀愁がこうした企画本を出してくるのであろう。

思えば、最近の鉄道には思い出に残るものがなくなったように思う。
近代化に名を借りて、本来は無駄の多い旅ができなくなった、まことに味気ない。
それに対するアンチテーゼなのであろう。

ああ、無駄だらけの旅がしたいなぁ。
(A)

2009/05/17

角川書店 角川文庫『デセプション・ポイント 上・下』ダン・ブラウン 著 越前敏弥 訳 を読む

本著の原作は2001年にアメリカ合州国で発行され、日本版は2005年、2006年に文庫本化された。

ダンブラウンの小説はまだ『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』しか読んでいないが、テンポがよく、読者をいい意味で裏切ってくれるので読みがいがある。
いい作者が出てきてくれたものだ。

この作者の頭の引き出しにはまだいくつもの作品のアイデアがあるという、大変楽しみである。

また、訳者の訳もうまいのだろう。
テンポよく読めるということは、いい作品の証拠である。
(A+)

2009/05/13

角川書店 角川文庫『天使と悪魔 上・中・下』ダン・ブラウン 著 越前敏弥 訳 を読む

本著の原作は2000年にアメリカ合州国で発行され、日本版は2003年、2006年に文庫本化された。

『ダビンチ・コード』、出版はもちろん、映画化されそれも大ヒット、テレビジョンでもさんざん流された作品であるから知らない人は少ないと思う。
『ダビンチ・コード』の主人公、ロバート・ラングドンが活躍するシリーズの第1作である。
本作品も映画化され今週末から公開されるから、本作品の方がシリーズ第2作と勘違いする人も多いのではないかと思う。

『ダビンチ・コード』と同じく宗教等のトリビアを散りばめたスピード感あふれるサスペンス小説は、読み手の心を引き付けてしまう。
科学的考証に難はあるが、それはご愛嬌ということにしておこう。

まだ読んでいない方も多いだろうから筋には触れないでおくが、下巻で「破綻してしまったかな」と思わせてからのどんでん返しは思いも付かなかった。
またこれで次の新作を心待ちにする作家が出来たことを嬉しく思おう。
(A+)

2009/05/09

BUNCH COMICS『コンシェルジュ16』原作 こしぜきゆきひで 漫画 藤栄道彦 を読む

このマンガは最近のお気に入りである。

人気が出てきたのであろう、コミックバンチ本誌での連載も順調のようである。
登場人物が多い割には忘れ去られてしまうキャラクターも出ることもなく、うまくまとめられている。
あえて言えば主人公の一人、尾上拝の“超人的”な働きが出なくなったことくらいであろう。

次巻が出るのが待ち遠しく思う。

2009/05/07

『天使と悪魔』バッタもん版

ダン・ブラウンの『天使と悪魔』を読んでいると小悪魔が囁きました。

「バルナック・ライカが君を呼んでいるよ」と。

小悪魔のささやきには逆らえません、イソイソと悪の巣窟、銀座教会8階のレモン社へ。
IIIfを2台、IIIgを1台カウンターに並べてしまいました。

「お前の買いたいのはIIIfかい、IIIgかい」。

しかし、小天使も反撃を試みます。

「IIIfはどちらも難ありだよ、IIIgは欠品があるよ」。

私は悪の巣窟からの脱出を試みました。

「IIIfのこちらは鳴くし、こっちはストッパーが効かないしね。IIIgはスプール無しじゃ話にならない」。

すると中悪魔が現われ、一番安いIIIfに魔法をかけました。

「あれっ、鳴きが止まりましたよ、おかしいなぁ。
しばらく動かしていなかったからかなぁ」。

真っ先にはね退けたIIIfが超お買い得品に化けたのです。

「買う!」。

小天使は敗北しました。
勝った中悪魔は攻勢を続けます。

「バルナック・ライカには沈胴のエルマーだろ」。

中天使が出てきました。

「よく考えろ、エルマーは高いぞ」。

すると大悪魔が現われました。

「よく見ろよ、あのズミクロン。
ありゃ値段の付け間違いだぞ、しかも沈胴」。

あわてて大天使が現われました。
しかし、その時レモン社の扉は閉まっていたのでした。
めでたし、めでたし(?)。