sat's blog

2011/08/31

学研 ノーラコミックスDELUXE KG-007 『まんがサイエンス XIII』あさりよしとお 著 を読む

本著は1998年から2007年に「5年の科学」「6年の科学」誌で、2010年から2011年に「りすうか」で連載された作品に書下ろしを加えて2011年に単行本として発刊したものである。

さすがにこのシリーズもこれだけの巻数を発行すると内容に重複が出てくる。
学習誌の限界でもあるのだが、ちょっと残念なところである。
この作家にしては毒が少ないところも学習誌の限界であろう。
(A)

小学館 BIG COMICS SPECIAL BCS3888 『星を継ぐもの 01』星野之宣 著 J・P・ホーガン 原作 を読む

本著は2011年に「ビッグコミック」誌で連載された作品を2011年に単行本として発刊したものである。

J・P・ホーガンの原作は読んで感動した覚えがある、それをコミカライズしてどうなるのか関心がある。
とはいえ、ずいぶんと前に読んだので記憶にはあらすじ程度のものしか残っていない。
長大な原作である、この作家がどう料理していくか、この巻を読んでいる限りにおいては期待は裏切られなだろう、と思う。
今後に期待しよう。
(A)

2011/08/30

小学館 BIG COMICS SPECIAL BCS4106 『THE SEA OF FALLEN BEASTS 滅びし獣たちの海』星野之宣 著 を読む

本著は1989年から1996年にかけて「ミスターマガジン」「コミックトム」「コミックバーガー」「ビッグコミック」「アメージングコミックス」誌で掲載された作品を2011年に単行本として発刊したものである。

この作家の持つ創造力の大きさには脱帽するしかない。
画力も一級のものである。
この作家はどこから物語のヒントを得、物語を構築するのだろうか。
才能と言ってしまえばそれで終わってしまうのだが、羨ましいと言うしかない。
(AA)

小学館 BIG SPIRITS COMICS BC4033 『電波の城 13』細野不二彦 著 を読む

本著は2011年に「週刊ビッグコミックスピリッツ」誌で連載されたものを2011年に単行本として刊行された。

「なかなかテンポが速く、数ヶ月に一度出る単行本ではいらだたしくなる」と前回書いたのだが、どうも飛躍についていけなくなってしまったようだ。
作家はこの作品をどこに向かって進めていくのだろうか。
(A-)

2011/08/29

コニカミノルタプラザを訪れる

コニカミノルタプラザを訪れた。


コニカミノルタプラザ

〔ギャラリーA〕
フォト・プレミオ2010
中内美帆「Senegambia Dining」 www.webphoto.japan.com

“強い1枚”が無いのが痛いところである。
人々の生活の中に入り込んで撮っているだけに惜しいと思う。
残念ながら“盛り上がりの無い平凡な”写真展になってしまった。
(B)

〔ギャラリーB〕
フォト・プレミオ2010
野口博行「静止する川」

作家の言う「川の流れが止まった瞬間を写し止めることで、静止画の中に静止した時間を作り出す」が、はたしてこの写真展を観る者にとって面白く感じられるかが問われるところだろう。
こういった作品を「フォト・プレミオ2010」に入選させた側の問題とも言えるが。
撮る苦労を作家は口にしていたが、評価されるのは結果としての作品であって途中経過の努力ではない。
作家は形の面白さからどれだけ昇華できたのだろうか。
(B-)

〔ギャラリーC〕
齋藤亮一写真展「佳き日 A Good Day」

タイトルどおり「佳き日」だらけの写真展である。
作品1枚1枚が力強く、また美しい。
組写真というと数でごまかすようなものが多いなか、単写真でも充分見られる写真展は久しぶりであった。
(A+)

2011/08/23

講談社 モーニングKC1324 『天才柳沢教授の生活 31』山下和美 著 を読む

本著は2010年から2011年に「モーニング」誌で連載されたものを2011年に単行本として刊行された。

この作家の人間観察力、表現力はこれまでも書いてきたが、その底を見せぬ素晴らしさに舌を巻く。
ちょっと世間ずれした登場人物が巻き起こすドラマのどれをとっても人間性があふれ、巻を進める度にそれが昇華していく。
作家はこの作品を作り出すためにどのくらい苦しんでいるのだろうか。
(AA)

2011/08/20

『32 Via dei birrai CURMI』を呑む

イタリア・ビール『32 Via dei birrai CURMI』を呑んだ。
イタリアのビール、この白ビールは軽くていい。
香りも主張しすぎないのがいい。
問題なのは呑みたい時にすぐ手に入らないことぐらいである。
(A)

小学館 SHONEN SUNDAY COMICS SPECIAL SSCS3275 『アイドルA 1』あだち充 著 を読む

本著は2005年から2007年に「週刊ヤングサンデー」誌で、2010年に「ゲッサン」誌で連載されたものと、2009年に「週刊少年サンデー」誌に髙橋留美子氏と合作したものを2011年に単行本として刊行された。
何回この作家の作品を読んでみても出てくる感想は「マンネリ」である、しかし悪い意味ではない。
わかりやすくありえない設定とティーンエイジャーの初恋、この黄金のコンビネーションに安心感を得る。
作家の言う「優しい読者」は外れてはいないが、言わせる作家が上手いのである。
この作家にはあえて「マンネリ」を期待する、心地よいのだ。
(A)

徳間書店 ZENON COMICS 『コンシェルジュ プラチナム 2』藤栄道彦 著 いしぜきひでゆき 原案 を読む

本著は「月刊コミックゼノン」誌で連載された作品を2011年に単行本として発刊したものである。
この作品の作家たちはこの作品の立ち上げに苦労しているようだ。
第1巻で登場させたキャラクターたちが完全に脇に廻ってしまい、新しいキャラクターが登場した。
その結果が主人公を立たせたので成功といえるのだが、どこまで続けられるか不安である。
魅力的なキャラクターの創作は作品の成功に不可分のものと思うが、さて、今回のテコ入れで終結するかどうか。
作家は大変である。
(A-)

2011/08/18

『清泉 七代目』を呑む

『清泉 七代目』を呑んだ。
う~ん、旨い。
休日に朝から呑るならこんな酒しかない。
(AA)

2011/08/17

久須美酒造『こぴりんこ』を呑む

久須美酒造『こぴりんこ』を呑んだ。
久須美酒造は真面目に日本酒を造り続けている酒蔵である。
『大吟醸 亀の翁』『清泉』『夏子物語』には感激してきた。
この『こぴりんこ』も「変わった名だな」と思いつつも期待して呑んだ。
ちょっと甘いかな、とも思うのだがいい酒である。
こんな素晴らしい酒蔵は大切にしていかなければならないのだ。
(AA)

『BOWMORE CASK STRENGTH』を呑む

『BOWMORE CASK STRENGTH』を呑んだ。
スコッチウィスキーは日本酒やワインと同じく当たり外れが激しすぎるので難しい。
『BOWMORE』は前から気にしていたスコッチウィスキーだが、カスクと言うので飛びついてしまった。
このウィスキー、気楽に呑るような値段じゃないが、「旨い」。
こういったいい酒を知ってしまうと“不味い酒”が味わえなくなるのだが、やはり旨い酒は良い。
旨い酒を旨いと思えるように、当たり前の味覚を持っていきたいと思う。
(AA)

2011/08/14

芳文社 Hobunsha Comics 『特攻の島 3』佐藤秀峰 著 を読む

本著は「週刊漫画TIMS」誌で連載されたものを2011年に単行本として刊行された。

本著の作品は「漫画 on Web」でほとんど読んでしまっているので、未知の作品を読む楽しさは失われていた。
しかし、紙のメディアである書籍の魅力は捨てがたい。
「漫画 on Web」から購入したので作家のサイン入りである、これもデジタルメディアにはないアドバンテージである。
この作家はメディアとしての書籍に魅力を感じていないようであるが、書籍を愛する俺のようなものもまだ多いと思う。

作品は暗くて重いテーマに真正面から取り組んでおり目を離すことができない。
これからに期待する。
(A+)

映画『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』 を観る

一言で片付けてしまうしかない、「アメリカという国は膨大な資金と才能を投入して全力で三流映画を作るんですねぇ、余裕ですなぁー」。
(B)

2011/08/12

徳間書店 RYU COMICS 『青空にとおく酒浸り 4』安永航一郎 著 を読む

本著は2009年に「月刊COMICリュウ」に掲載された作品を2011年に単行本として刊行したものである。

しかし、この作家の下品さは底が知れないなぁ。
この下品さがこの作家の真骨頂だとしても…。
まっ、楽しいから良しとするか。
(A)

2011/08/06

『第21回JRP東京写真展』を観る

『第21回JRP東京写真展』を観た。
俺にとって、この写真展は他の写真展とは意味合いが違う。
俺はJRP(日本リアリズム写真集団)の会員であり、JRP東京協議会の構成員であり、この写真展の出品者であるからだ。

一見しての感想だが、JRP都協の量と質がここまで低下しているのかと呆然としてしまった、非常に複雑な心境である。
JRPは今、自らの現在での存在価値を問い直さねばならないと感じざるを得ない。
リアリズム写真運動は土門拳が先頭になって推し進めてきた運動だが、土門拳による「第一次リアリズム写真運動の終結宣言」で先生の主導する運動から、われわれ個人個人が進めていく運動に発展したはずなのだが…。
いくつか観得るべき作品はあるのだが、全体としてみれば質的な低下があると言わざるを得ない。
これからJRPはどこに行くのか、俺はJRPの発展のためにどれだけの作品を作っていけるのであろうか。

2011/08/05

講談社 KCDX3099 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 3』士郎正宗 原作 衣谷遊 著 を読む

本著は2010年から2011年に「月刊ヤングマガジン」で連載された作品を2011年に単行本として発刊したものである。

どうもこの作品の絵に違和感が残ってしまう。
また、士郎正宗氏の世界観、スピード感の違いを言うのは酷だろうか。
悪くない素材だけに、士郎正宗氏の作品は偉大すぎるのだろう。
(B+)

講談社 KCDX3101 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX タチコマなヒビ 3』士郎正宗 原作 櫻井圭記 プロット 山本マサユキ 著 を読む

本著は2010年に「週刊ヤングマガジン」、2011年に「月刊ヤングマガジン」で連載された作品を2011年に単行本として発刊したものである。

この作品の薀蓄は絶好調である、少しバイアスがかかっているようだが。
ランクを少し上げる事にする。
(A)

2011/08/01

映画『コクリコ坂から』 を観る

この作品は原作付の少女マンガが原案なのだというが、残念ながら知るところではなかった。
それよりか、監督の宮崎吾郎氏がどのような監督作品第二作を作ったのかに興味があった。
前作「ゲド戦記」に大きな違和感を感じていたから、宮崎吾郎氏には再監督の目はないのではとまで思っていたのだが。
そんな思い込みを持って観た本作品であるが、「ゲド戦記」の悪夢は少しも感じられず、本当に同じ監督なのかと悩んでしまう出来だと言っていいと思う。
もちろん、監督の実の父親である宮崎駿氏に比較するのは酷であるがいくつか気になることはある。
例えばもう少し音楽を大切に使ってやってもいいと思うのだ。
これまでのスタジオ・ジブリの作品の中では近藤喜文氏が監督した「耳をすませば」に近い位置にある作品と言えそうだが、評価も近いものをあげたいと思う。
そう、俺の中ではベスト3に入るものと同等である。
作品の時代を1963年に選んだ宮崎駿氏の企画が良いのだろうか、それもいいのだろう、エネルギッシュな世代である。
しかし、それを反芻して見事に昇華した宮崎吾郎氏に拍手を贈ろうと思う、今後のより一層の飛躍を期待しつつ。
(A+)

徳間書店 RYU COMICS 『toritter とりったー』とり・みき 著 を読む

本著は2010年から2011年に「COMICリュウ」に連載された作品を2011年に単行本として発刊したものである。


この作家がツイッターをやっており、「お題」を集めているのは知っていたが、まさかそれを元に作品を描いているとは知らなかった。
いや、有能な作家にかかるとなんでも作品にされてしまうということだ。
いやはや、恐れ入ったと言うしかない。
(A)