sat's blog

2010/02/27

小学館 BIG COMICS BC3016 『鉄腕バーディEVOLUTION 4』ゆうきまさみ 著 を読む

本著は2009~2010年に「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載された作品を2010年に単行本として刊行したものである。

どんどん物語が拡がっていく。
『鉄腕バーディ』時代から通算すると24巻にもなるのだが、まだ謎の部分が多く当分は終わる気配もない。
この調子で行くと50巻を超える連載になるのではなかろうか。
作品の質を維持するのは大変だと思うが、頑張ってほしいと思う。
(A)

小学館 レアミクス コミックス RMC011 『忍者武芸帳 影丸伝 11』白土三平 著 を読む

本著は1961年に貸本として刊行された単行本を2010年に復刻・刊行されたものである。

登場人物紹介も3巻に渡ってきたので少々長いと思う。
貸本として刊行されたからできたのであろうが、今の連載システムだったら許されるものではないだろう。

しかし、50年前の作品が少しも古さを感ぜず生き生きとしている。
これはすごいことではないだろうか。
(A+)

小学館 レアミクス コミックス RMC010 『忍者武芸帳 影丸伝 10』白土三平 著 を読む

本著は1961年に貸本として刊行された単行本を2010年に復刻・刊行されたものである。

この巻も登場人物の紹介である、ずいぶんとページを使ってやったものである。
サブストーリーが長いとメインのストーリーがおろそかになってしまうのではと思うのだが、まぁ、物語が楽しめ、深くなればかまわないのかとも思う。
(A+)

2010/02/25

一迅社 ZERO-SUM COMICS 『アニメ店長 4』島本和彦 著 を読む

本著は2007年から2009年の「きゃらぴぃ」に掲載された作品に描き下ろしを加え、2010年に発刊されたものである。

勢いで島本和彦氏の作品をかい出してしまったのだが、はっきり言ってこの作品は引き気味である。
原因は「アニメイト」という実在の店舗を舞台にしている、言わば“身内受け”的作品だからではないかと思う。
面白くないわけではないのだが…。
(A-)

2010/02/23

講談社 アフタヌーンKC630 『新装版 ヨコハマ買い出し紀行 6』芦奈野ひとし 著 を読む

本著は2000年から2001年にかけて連載されたものを単行本化し、2010年に新装版として単行本化したものである。

この巻では主人公アルファが知らない土地を旅して回る、その先々での人やロボットとの出会いが主人公らしいといえばらしい。
やがて家に帰ってくるのだが、1年を旅して回ったことによりロボットでも1歳、齢を重ね成長した主人公の姿が描かれる。

また、アルファシリーズのロボットに関する疑問も次巻に引き継ぐようである。
次巻もまた待ち遠しくなってくる。
(A+)

2010/02/22

小学館 レアミクス コミックス RMC009 『忍者武芸帳 影丸伝 9』白土三平 著 を読む

本著は1961年に刊行された単行本を2010年に復刻・刊行されたものである。

本巻ではストーリーが登場人物紹介に“脱線”する。
何か勢いがそがれるような気もするが、作者としては「謎」を残したくなかったのではないかと思う。
これが成功だったのか、失敗だったのか、全巻を通して読み直したときにわかるのだろうか。
(A+)

小学館 レアミクス コミックス RMC008 『忍者武芸帳 影丸伝 8』白土三平 著 を読む

本著は1961年に刊行された単行本を2010年に復刻・刊行されたものである。

さてさて困った、いよいよ書くことがなくなってきた。
第9巻までしか刊行されていないからそこで止まったが、第17巻全巻が刊行されていたらたぶん買い込んでしまったろうと思う。
困ったことである。
(A+)

小学館 レアミクス コミックス RMC007 『忍者武芸帳 影丸伝 7』白土三平 著 を読む

本著は1960年に刊行された単行本を2009年に復刻・刊行されたものである。

一度に買い込んで、一度に読んでしまうと書くことがなくなって困る。
困るような買い方、読み方をしたのが悪いのであるが。
しかし、最近のマンガではどうしてこのように壮大なドラマが生まれてこないのだろうか。
マンガ雑誌の編集方針がこうしたマンガの登場を阻んでいるのだろうか。
こういった骨太のマンガをもっともっと読んでみたいのだが。
(A+)

小学館 レアミクス コミックス RMC006 『忍者武芸帳 影丸伝 6』白土三平 著 を読む

本著は1960年に刊行された単行本を2009年に復刻・刊行されたものである。

この作家が唯物史観を取り入れた作品を描く、という一般の論評は農民を主として取り上げたことにあるのだろう。
忍者、影丸というのはあくまでも「太郎冠者」に過ぎない。
農民が虐げられ、武士に対する反抗を描くことを「階級闘争」とされたのであろう。
しかし、作者は階級闘争を描きたかったのであろうか。
結果としての「階級闘争」なのか、階級闘争を描いたのか、解説を読んでいてわからなくなってきた。
歴史に残る作品であり、時代を反映した作品であることには間違いはない。
(A+)

小学館 レアミクス コミックス RMC005 『忍者武芸帳 影丸伝 5』白土三平 著 を読む

本著は1960年に刊行された単行本を2009年に復刻・刊行されたものである。

いよいよ暴走が止まらなくなってきてしまった。
今日はまとめて第5巻から第9巻まで5冊も買ってしまった。
しかも、一気に読んでしまう、とても50年も前にかかれたものとは思えない感激がある。
本作品は「マルクス主義」の影響を強く受けているというが、決して啓蒙書ではない。
ただ、唯物史観を強く意識しているように感じてしまうのだ。
描かれた時代がこの作品に影響したのか、作者や作者の父親の影響なのかはわからない。
しかし、無縁ではないのであろう。
(A+)

2010/02/20

朝日新聞社 朝日文庫 ほ-1-21 『検証 カンボジア大虐殺』本多勝一 著 を読む

本著は1978年に刊行された『カンボジアはどうなっているのか』、1981年に刊行された『カンボジアの旅』を再構成し、1989年に文庫本として刊行されたものである。

大虐殺というと、「アウシュビッツ強制収容所」「南京大虐殺」がすぐに思い浮かぶが、カンボジアの大虐殺はその二つを大きく上回ることは間違いないだろう、その重要な検証の一端を担ったのが著者のこの作品である。
「ベトナム戦争」の終結をリアルタイムで見ていた私にとって、それに続いて「カンボジア戦争」が起こるとは思っても見なかった。
そして、次々に明らかになる事実に呆然とさせられたことを改めて思い出させられた。

権力がどんなに危険なものであるのか、昨年行われた日本の政権交代ではこのような大虐殺が起こったわけではないが、誰のための政権なのかを問うことは同じことなのだと思う。
権力はすべて正しいわけではない、注視と検証が必要なのである。
(A+)

2010/02/18

小学館 レアミクス コミックス RMC004 『忍者武芸帳 影丸伝 4』白土三平 著 を読む

本著は1960年に刊行された単行本を2009年に復刻・刊行されたものである。

4冊もあっという間に読んでしまうとはわれながら呆れ返ってしまう。
この調子だと月曜日には既刊行全巻が揃ってしまうかもしれないので、ちょっと恐ろしくもある。
さてどうなることだろうか。
(A+)

小学館 レアミクス コミックス RMC003 『忍者武芸帳 影丸伝 3』白土三平 著 を読む

本著は1960年に刊行された単行本を2009年に復刻・刊行されたものである。

今回の“大人買い”は4冊であったのだが、あっという間に読み終えてしまった。
こんな作品は近年ほとんど無いと言っていいのではないだろうか。
(A+)

小学館 レアミクス コミックス RMC002 『忍者武芸帳 影丸伝 2』白土三平 著 を読む

本著は1960年に刊行された単行本を2009年に復刻・刊行されたものである。

実は本著が刊行された時すぐ購読をしなかったのだが、結局“大人買い”で買い込んでしまった。
『カムイ伝』で白土三平ワールドに引き込まれた私に耐えられる訳もなかったのだが…。
(A+)

小学館 レアミクス コミックス RMC001 『忍者武芸帳 影丸伝 1』白土三平 著 を読む

本著は1959年に刊行された単行本を2009年に復刻・刊行されたものである。

白土三平氏のこの『忍者武芸帳 影丸伝』はとても50年も前の作品とは思えぬ重厚さがある。
確かに絵柄は50年の時間の流れを感じさせなくはないが、このままでも充分に現在のコミック誌に掲載できるレベルである。
白土三平氏のもう一つの作品『カムイ伝』も壮大なスケールの物語であるが、作者のブレを感じることができないので安心して読むことができるのだ。
(A+)

小学館 BIG SPIRITS COMICS SPECIAL BCS3105 『チャンネルはそのまま! 2』佐々木倫子 著 を読む

本著は「週刊ビッグコミックスピリッツ」で2009年に掲載されたものを、2010年に単行本として発刊されたものである。

佐々木倫子氏は私の好きな作家の一人である。
『おたんこナース』でファンになったのであるが、『動物のお医者さん』で決定的になった。
例によってこの作家の作品を“大人買い”してしまったのであるが、少女コミックス時代よりも青年誌時代のほうが輝いているように見える。

しかし、パターンはマンネリである。
主人公がドジでマヌケで天然なのはどの作品でも共通している。
しかし、飽きずに作品を買い続けているということは、面白いのだろうと思う。

作品の作り方も一話完結でありいつ打ち切りになっても問題はないのであるから、力量がある証拠であろう。
しかし、力量のある作家であるのだからもう少し面白くなってもいいと思う。
頑張ってほしいと思う。
(A-)

2010/02/15

徳間書店 RYU COMICS 『アステロイド・マイナーズ 1』あさりよしとお 著 を読む

本著は月刊COMICリュウに2009年に連載されたものを2010年に単行本として刊行されたものである。

あさりよしとお氏といえばSFをいくつも描いている作家であるが、パロディやコミカルな作品が多い。
本作品でも絵柄が大きく変わったものでないから、いつものコミカルな調子になるのではないかと思いながら読んでいたのだが、SFと真正面に向かって取り組んでいるように思う。
たまにはこのようにSFにガチンコでぶつかっていく作品も面白いのかもしれない。
今後の展開に期待していこう。
(A)

2010/02/08

講談社 BLUE BACKS B589 『恐竜はなぜ絶滅したか 進化史のミステリーに挑む』M.アラビー、J.ラブロック 著 中沢宜也、萩原輝彦 訳 を読む

本著は1983年にイギリスで出版され、1984年に日本で翻訳刊行された。

こういう科学書はあまり出版されてから時間が経ってないものの方がいいとつくづく思った。
本書は25年以上も前の刊行であるから、そのときは“旬な話題”であっても、今となっては“当たり前の事”となっているのだ。
いや、刊行以降の新事実も既に知っているのであるから、残念ながら読み進んで行っても知的好奇心をくすぐるような事が少なすぎた。
内容は問題がないだけに、時代の流れの無常さを感じた次第である。
(B)