sat's blog

2010/09/25

芳文社 Houbunsha Comics 『ムショ医 女子刑務所のカルテ 3』佐藤智美 著 を読む

本著は2010年に単行本として発刊された。

この作品は女子刑務所というあまり知られていない場所を舞台に繰り広げられる人間ドラマである。
医師ものは古今東西数多く発表されているが、女子刑務所が舞台であるものはほとんどないと思う。
そういった特殊な環境下であるからこそ、人間の本質がよく描き出せるのかもしれない。
この作品はあまり大きな雑誌での連載ではないので知られることが少ないと思うが、良質の作品である。
頑張っていって欲しいと思う。
(A)

小学館 BIG COMICS SPECIAL BCS2325 『宗像教授異孝録 10』星野之宣 著 を読む

本著は2008年に「ビッグコミック」誌で連載された作品を2009年に単行本として発刊したものである。

この作品を読んでいると古代に思いをはせてしまうが、この作品は現代の問題も描いている。
その手法がこの作品をより深いものにしているのだろうと思う。
正直言って“重い”作品であるが、考えさせられるのがいい。
ベテランゆえ創れる作品なのであろうか。
(A+)

小学館 BIG COMICS SPECIAL BCS2193 『宗像教授異孝録 9』星野之宣 著 を読む

本著は2007年から2008年に「ビッグコミック」誌で連載された作品を2008年に単行本として発刊したものである。

参考文献があるというものの、この作家の想像力には舌を巻く。
この作品を読んでいると民俗学や考古学の世界に行ってみたくもなる。
宗像伝奇という登場人物の創造、画力の高さ、この作家の力量は半端ではない。
まだまだこの宗像教授シリーズは続いていくと思うが、いつまでも読んでいきたい作品である。
(A+)

三ノ輪、砂場で蕎麦を食らう

三ノ輪、砂場で蕎麦を食らった(with Beer)。

この店は砂場の元祖なのだが、気を使わなくてもいいのがありがたい。
もう少し家の近くにあるとありがたいのだけどなぁ。
(A+)

g.u.にもの申す

昨年だと思うが、よく使っていたUNIQLOがg.u.に衣替えした。
そりゃ安いことにこしたことはないのだが、品揃えが極端に悪くなった。
欲しいものが見つかっても、サイズはSかXLしかないのである。
こんな調子じゃ長くは持たないな、と見ているのだがどうだろう。

三ノ輪、青木屋のカツパンを食らう

所要で三ノ輪に行ったら、青木屋の前が大混雑となっていた。
当然並ばない訳にはいかない、カツパンを一つ所望した。

この店はコロッケパンが有名なのであるが、カツパンも捨てがたいものがある。
特製のコッペパン、衣がかりっとした薄いカツ、ソースの味、何をとっても絶品なのである。
(A+)

2010/09/24

講談社 アフタヌーンKC694 『カブのイサキ 3』芦奈野ひとし 著 を読む

本著は2009年から2010年にかけて「月刊アフタヌーン」で連載されたものを、2010年に単行本として発刊されたものである。

前作『ヨコハマ買い出し紀行』でこの作家のファンになったわけだが、前作のイメージが強すぎて本作品は不利である。
こんなことなら『ヨコハマ…』にはA++をつければよかったのかもしれない。
のんびり、ほのぼのとした作風は『ヨコハマ…』と共通するものだからこそ、もう一つ脱皮が欲しかったと思うのは俺一人ではないと思う。
隔月刊から月刊になったことだし、もっと楽しませて欲しいと思う。
(A)

小学館 BIG COMICS SPECIAL BCS2192 『宗像教授異孝録 8』星野之宣 著 を読む

本著は2007年に「ビッグコミック」誌で連載された作品を2008年に単行本として発刊したものである。

本巻では「偽汽車」「日本の石油」「別府湾・瓜生島」が俎上に上がった。
「偽汽車」では上条恒彦氏の歌う『玄蕃之丞』を思い出した。
文明開化の名の下に追い立てられる昔からの生き物たち。
この作家は追い出した者たちもやがて追い立てられるというストーリーを作った。
見事であるというしかない。
(A+)

2010/09/22

『となりのトトロ』(録画)を見る、なう

『となりのトトロ』を見る、なう、「菊水ひやおろし」を飲みながら。
酔っ払い、なうなう。
宮崎駿氏の才能に嫉妬、ど嫉妬。
神は信じないが、神がいるのならなぜこんなに才能の差をつけるのか、いじわるだ!

2010/09/20

「菊水ひやおろし」を呑む

「菊水ひやおろし」を呑んだ。

…、なんだこの酒は、甘~い。
“冷酒莫迦”だから味がわからないだけなのだろうか。
“辛口オンリー”には理解できないのだろうか。
こんな酒なら「菊水」の名をつけて欲しくなかったな。
(C)

双葉社 ACTION COMICS 『BARレモン・ハート 25』古谷三敏 著 を読む

本著は2008年から2009年に「漫画アクション」誌で連載された作品を2010年に単行本として発刊したものである。

この作品は当然だが1巻から読んでいるが、ここまで長期連載になるとは思ってもみなかった。
酒をネタによくもここまで物語を作れるものだと感心してしまう。
酒に関する薀蓄も楽しみであるが、主人公たちの人と人の会話も楽しみの一つである。
この作家、老齢(失礼)の域に達しているからこそ作り上げられる世界なのだろうか。

こんな酒場があったら足を運んでみたくなる、そんな気になる作品である。
(A)

2010/09/19

学研 ノーラコミックスDELUXE KG-006 『まんがサイエンス XII』あさりよしとお 著 を読む

本著は1997年から2006年に「5年の科学」「6年の科学」誌で連載された作品を2010年に単行本として発刊したものである。

本著はこの作家にしてはその魅力でもある毒がほとんど含まれていない、まぁ、小学校高学年向けの学習誌に連載されていたという制約のあるものだから仕方がないが。
小学校高学年の読者に対し、身近な科学的好奇心を上手く引き出し、解説しているのは見事である。
しかも、小学校高学年にしては難しすぎるのではないかと思われる内容もかなり多く、作家自らの“趣味”であろうがかなり詳細に解説している。
なかなかここまでできるものではない。

しかも、先ほどから小学校高学年が対象と書いてはいるが、大人が読んでも少しも陳腐ではない。
作家の好みと力量がマッチした快作なのである。
(A)

2010/09/17

徳間書店 徳間文庫 た-30-3 『JR瀬戸大橋線の危機』種村直樹 著 を読む

本著は1989年に単行本として発刊されたものを1993年に文庫本として発刊したものである。

レイルウェイ・ライターを自称する作家のミステリー小説である。
もちろん舞台は鉄道である。
鉄道という舞台でのミステリーは、さすがレイルウェイ・ライターである。
しかし、残念なのはこの作家の鉄道での土俵はいわゆる“乗りテツ”であり、技術的な分野には弱いことである。
トリックの一つ、CTCのくだりは残念ながら無理な設定である、現実にはできはしない。
そういう欠点を含みつつも、この作家のミステリー小説は読んでいて楽しい。
社会問題と無関係ではないことが作品の質を上げているのだろう。

近年、この作家は発表の土俵が狭くなり量的にも減った、残念なことである。
引退するにはまだ早い、新作を期待してやまない。
(A-)

2010/09/13

徳間書店 Ryu Comics SPECIAL 『とりから往復書簡 3』とり・みき×唐沢なをき 著 を読む

本著は2009年から2010年に「COMICリュウ」誌で連載された作品を2010年に単行本として発刊したものである。

この作品は身内受けである。
これを一人の作家がやってしまうと一人よがりになってしまうのだが、二人でやると掛け合いが悪乗りになって非常に楽しめる。
こうしたコラボレーション作品は過去にも『ひでおと素子の愛の交換日記』『土曜ワイド殺人事件』などがあったが、編集者が息のあった作家を引き合わせたので成功裏に終わっていた。
本作品も例外ではない。
暴走と言うべき身内落ちの掛け合いが見事に楽しめる作品になっている。
しかし、作家にとっては大変な作業なのだろう。
もっと読みたかったが、仕方がない、最終巻なのである。
(A)

2010/09/12

講談社 モーニングKCDX2954 『天才柳沢教授孫・華子との生活』山下和美 著 を読む

本著は「モーニング」誌で連載された作品を単行本として発刊されたものから抜粋したものに書下ろしを加えて発刊したものである。

俺は青年誌に連載している女性漫画作家にかなりお気に入りがいる。
まあ、男性作家だ、女性作家だと分けて考えるのはナンセンスなのであるが…。

先に記したように既に単行本に掲載されている作品が大多数なのであるが、つい買ってしまうのである。
たった4ページの書き下ろしのために買ったのだといってもいいかもしれない。

しかし、この作家の人間観察の鋭さはすばらしい。
4ページのために571円(本体のみ)を支払っても損をした気がしないのである。
(A)

2010/09/09

日経BP社 日経BP4772 『Twitterの衝撃』日経BP社出版局 編 を読む

本著は2009年に発刊された。

この類の本の鮮度の落ちはすさまじい。
たった1年前の本であるが、既に現実はもっと進んでいるように思う。

しかし、この本を読んだおかげでTwitterへの興味も再びわいてきたし、スマートフォンやiPadが欲しくなってきた。

新しいメディアへの入口にはよくできた入門書が必要なのかもしれない。
(B+)

2010/09/03

東海教育研究所 『幸福論』関野吉晴×長倉洋海 著 を読む

本著は2003年に発刊された。

先の土門拳氏の文章を読んでみて思ったことだが、よい写真家はよい文章家であるようだ。
また、考えがしっかりしている。
考えがしっかりしているからよい写真が撮れるのだとしたら、私にはよい写真が撮れそうにもない。

悔しいからこう考えることにした。
写真を撮るから考え、考えるからまた写真を撮る、このスパイラルがよい写真を、よい文章を、しっかりした考えをもてるのだろうと。

そう考えなければ救いがないのだ。
(A)