sat's blog

2009/08/23

『TERMINATOR SALVATION タミネーター4』を観る

『TERMINATOR SALVATION タミネーター4』を観た。
6月公開の映画だからずいぶんと遅くに観たと思う。

SFアクション映画は嫌いではない。
『T1』『T2』『T3』もすべて観てきた。
『T4』を観るのも当然と言えば当然だったのである。

『T1』~『T3』と『T4』~『T6』はシリーズ的に同じものではあるが、設定は別物である。
もちろん一連の作品の流れの中の作品であるのだが、アーノルド・シュワルツネッガーの『ターミネーター』ではないということである。

『T1』~『T3』はシュワルツネッガーがいての『T1』~『T3』であったのだが、『T4』~『T6』にはいないのである。
さてさて、シュワルツネッガーを抜きにして『ターミネーター』が成立するかどうかはこれからのお手並み次第だろう。
(A)

2009/08/19

岩波書店 岩波新書(新赤版1143)『仕事道楽 スタジオジブリの現場』鈴木敏夫 著 を読む

本著は2008年に刊行された。

仕事を選んだ時、いや、仕事を選ばされた時、そのしょくがへのおもいはどうだったのだろうか。
人生で1回だけ、その当時は再就職など考えていなかったから間違うことが許されないたった一度の選択だった。
その結果、テレビジョンに出演したり、単行本に本名が出たり、いろいろな経験をし、組織というものの下劣な一面を見ることになってきた。

本著の作品はたぐい稀な栄光の歴史である。
作者がどんなに苦労を述べようと、“好きなことをやってきた”人間に対してはやっかみしか思い浮かばない。
うらやましいのである。

自分自身、どこまで能力があるのか、冷静な自己判断は無理というものであろう。
しかし、仲間たちを考えるに、すべて無能力者であるという今の「会社」の厚顔無恥たる判断には異議を唱えざるを得ない。

とすれば、著者がいくら苦労を並べたところで“正当以上な評価を受けた者”がどんなに苦労をしたと言ったと言っても、“うらやましい”限りなのである。

才能があっても恵まれない待遇に甘んじている人は腐るほどいるのである。
マルクスやエンゲルスがいくら理想をそらんじても現実はそうではない。

いま、日本という小国では「政権選択を問う選挙戦」が闘われている。
しかし、人の尊厳を考えるならばそんな小さなことでいいのだろうか。
人はその人の能力によって判断され、評価され、批判される。
そんな文化的な国家はいつできるのであろうか。
(A)

2009/08/15

こまつ座第八十八回公演 『兄おとうと』 井上ひさし 作 鵜山仁 演出 を観る

本作品は2003年に初演され、2006年に再演、2009年に三演ということになる。

本作品の主人公は大正デモクラシーの旗手である吉野作造氏である。
井上ひさし氏は“平成”のデモクラシーの危機に、大正デモクラシーの吉野作造氏の物語を持ってきたのは間違えはないだろう。
“大日本帝国”時代の日本で命をかけて大正デモクラシーを作り上げ、結果的には軍部を中心とした勢力に急速に右傾化され、戦争に突入していくのだ。
井上ひさし氏は現在の日本の状況を見て、憲法第9条など日本の危機的状態に大正デモクラシーからの物語を見えてきたのではないだろうか。

歴史の汚点は二度と繰り返してはならない。
政権交代が確実だと言われている総選挙も目前に迫っている。
しかし、「自民・公明」政権と「民主・社民・国民」政権に歴史を前進させようとするような本質的な違いはない。
選挙制度によって作り上げられた二大政党が本質的に違いない時、残された希望は国民の目覚めである。

井上ひさし氏と共に歴史を前進させるために頑張らなきゃいけないな、と思う演劇であった。
(A)

2009/08/13

角川書店 角川文庫『パズル・パレス 上・下』ダン・ブラウン 著 越前敏弥・熊谷千寿 訳 を読む

本著は1998年に発刊され、2006年に翻訳され単行本として発刊され、2009年に文庫本として発行されたものである。

この作品はこの作者の処女作であるが、『天使と悪魔』『ダ・ビンチ・コード』のもつスピード感あふれるものとなっているのはすばらしい。
NAS(アメリカ合州国国家安全保障局)が主舞台であるが、丁寧に取材されているのだろう、さもありなんというドラマが展開する。

才能豊かな作者の作品を読むのは楽しいが、嫉妬心ももたげてくる。

この作品のテンポの良さは翻訳者の力によることも大きいと思う。
私は自分で言うのもなんだが、英語力は中学生以下である。
この作者の作品を早く読むには原書を読むのが一番なのだが、まことに残念ながら翻訳を待たねばならない。
非常に残念である。

なるべく早く次の作品を読んでみたい。
そのためには作者、翻訳者に頑張ってもらうしかないのだ。
(A)

2009/08/03

日東書院 『イラスト図解 天体 巨大望遠鏡と探査機が探る宇宙のすがた』国立天文台天文情報センター長 渡部潤一 監修 造事務所 編集・構成 を読む

本著は2009年に発刊された、まだ新しい本である。
内容は「図解」としてあるだけに、簡易な内容である。
確かに内容には物足りないものがあるのだが、イラストを見ていると宇宙への興味がどんどん湧いてくる。
知らないものを知ること、知的好奇心を湧き起こしてくれる、宇宙は。
(B+)