sat's blog

2009/06/30

小学館 BIG COMICS『鉄腕バーディーEVOLUTION 2』 ゆうきまさみ 著 を読む

またもやマンガである。

この著者は「原田知世」つながりで読み出し、ハマってしまった作家である。
年齢も比較的近いこともあり、SFに興味を持っているという共通項が親近感を持たせたものだと思う。

物語りも22巻目でもまだまだこの先に展開させていく勢いである。
どうなっていくのか、楽しく待ち望んでいるのである。
(A+)

小学館 BIG COMICS『PLUTO08』 浦沢直樹×手塚治虫 著 長崎尚志 プロデュース 手塚眞 監修 を読む

またもやマンガである、しかもすでに豪華版を購入済み、もちろん読んでいるのである。
しかし、買ってしまったのである。

この作品の雑誌連載は足掛け7年にも及んだが、それだけ浦沢直樹氏が手塚治虫氏の原作を大切にし、単なるオマージュではなくしっかりと四つに組んだ結果なのだろう。

豪華版も通常版も勢いで買ってしまうほど完成度の高い作品になっていると思う。
(A+)

2009/06/29

角川書店 角川コミックス・エース『ぷちえう゛ぁ ぼくら探検同好会』あおぞらまき 漫画 GAINAX・カラー 原作 を読む

すみません、またもやマンガである、しかもまたも『新世紀エヴァンゲリオン』、しかもまたその派生マンガである。

基本は『新世紀エヴァンゲリオン』の学園コメディ版なのであるが、更にデフォルメがすさまじい。
幼稚園児向けの絵柄とでも言ってもいいくらいである。

こんな脱線をも許す『新世紀エヴァンゲリオン』ってのは、ひょっとすると偉大な作品なのかもしれない。
(A-)

角川書店 角川コミックス・エース『新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画 8』高橋脩 漫画 GAINAX・カラー 原作 を読む

またもやマンガである、しかも今更『新世紀エヴァンゲリオン』、しかもその派生マンガである。

出版社にとっては、原作者にとっては一粒で二度も三度も美味しい『新世紀エヴァンゲリオン』なのである。

原作をアレンジして様々なメディアで展開する、『ガンダム』と共に“よくやるよ”といいたくなるほどの展開なのである。
前にも書いたが、原作版『新世紀エヴァンゲリオン』は暗い感じが気になったが、“学園コメディ”にも当てはめられるとは恐るべし『新世紀エヴァンゲリオン』なのである。

まぁ、ちょっと“脱線”しすぎの感もあるが、まぁ、楽しければいいのである。
(A)

2009/06/25

朝日新聞出版 『アサヒカメラ7月号』を読む

今月号の特集は「NUDE」である。
ん~ん、まずは撮る事のない分野だろうなぁ。
今月号には興味の持てるカメラやレンズの紹介がなかったこともあって、“珍しく”写真の記事を中心に読んだのだけど、自分の分野でないものにはやっぱり興味が持てないのである。

絵画もそうなんだけど、なぜ「NUDE」なんだろう。
そう思うのは、どこか“ヤマシイ心”があるということなんだろうか。
正直、「綺麗だなぁ」と思って観た「NUDE」はほとんどないのだ。

“エロチック”から抜け出せない「NUDE」、抜ける必要はないのか。
あれこれ写真以外のことを考えてしまう。

謎なのである。
(B)

2009/06/23

さらば、コダクローム!

「コダクローム」の生産がついに終了することになった。
日本ではもうすでに店頭に並んでいないし、現像を引き受けてくれるラボもない。
それでもアメリカ合州国で買えるというまだ望みはあった。
しかし、2009年6月22日、イーストマン・コダック社は「コダクローム」の生産終了を発表した。

これはひとつの「写真文化財」の消失に他ならない。
イーストマン・コダック社はデジタルメディアに向け急速に舵を切っている。
次は「トライX」にならないことを切に望む。

講談社 モーニングKC『BILLY BAT 1』浦沢直樹 著 長崎尚志 ストーリー共同制作 を読む

マンガである、浦沢直樹氏&長崎尚志氏なのである、買わないわけも、読まないわけもない。

まだ第一巻、作家はあちこちに伏線を張り巡らせている。
舞台は終戦直後の下山事件らしい、これが期待せずにおかれようか。

下山事件は数多くの作家が、学者が謎解きに挑んだ。
この事件をこの作家たちはどう解釈し、表現していくのであろうか。
まだ第一巻が始まったに過ぎないが、もう物語りに引き込まれている。
この先の展開が楽しみである。
(A+)

2009/06/22

PHP研究所 PHP文庫『病気にならない生活のすすめ 東洋の智恵は健康の智恵』渡部昇一・石原結實 著 を読む

本著は2001年に『東洋の智恵は健康の智恵』として発刊されたものを、改題し2006年に文庫本として発刊されたものである。

私には悪い癖があって、書籍を読んでいるときに“NGワード”が出てくると急激に読書欲がなくなってしまうのだ。
昔、やっと探し当てた書籍の前書きを読んでいたら「山本七平」と書かれてあって、たったの2ページを読んで放り出してしまったことがある。

本著にも“NGワード”が出てきた、「石原慎太郎」。
不思議なことに“NGワード”を踏んでしまうと、その作品がガラガラと音を立てて崩れ、ガラクタになってしまうのだ。
東洋医学と西洋医学の考え方の違いを考えていたことなどどこかに飛んでしまい、西洋医学を一方的に攻撃する似非科学書にも思えてくるから困った事だと思う。

しかし、「類は友を呼ぶ」とも言うしなぁ。
(C-)

2009/06/19

小学館 BIG COMICS SPECIAL『PLUTO08』豪華版 浦沢直樹×手塚治虫 著 長崎尚志 プロデュース 手塚眞 監修 を読む

マンガである、しかも手塚治虫氏と浦沢直樹氏のコラボレーションとなったら読まないでおける訳はない。

今回は“豪華版”であるが、30日に発売される“通常版”も購入するのは自分でももうわかっている。
それほどに待ち遠しく、楽しんで読んだ作品である。
雑誌「少年」に手塚治虫氏が鉄腕アトムを連載しており、「史上最大のロボットの巻」を発表してからどれだけになるのだろう。
今をときめく浦沢直樹氏がリメイクした本作品は、手塚治虫氏のオリジナルとがっちり四つに組んで闘った。
言わば、「史上最大のマンガの巻」なのである。
手塚治虫氏版ではその時代の“古さ”が、浦沢直樹氏にはこの作家の癖である張り巡らした伏線を刈り取りきらないという癖が、そのマイナス面を差し引いても充分に四つに組んだと思う。

手塚治虫氏は誰もが認めるを得ないマンガ界の巨星である。
その巨星にオマージュではなく、面と向かって闘いを挑んだ本作品を描くような作家がどんどん出てきて欲しいものだと思う。

今回の勝負、どちらが勝ったのであろうか。
「今回は引き分け、勝敗は延長戦に」というのはどうだろう。
もっと読んでいたいからだからなのだが…。
(A+)

2009/06/17

集英社 集英社文庫『レックス・ムンディ』荒俣宏 著 を読む

本著は1997年に集英社から発刊された単行本を2000年に文庫本化したものである。

この作家には『帝都物語』シリーズでハマってしまった。
この作品はダン・ブラウン氏の『ダ・ヴィンチ・コード』とかなりテーマもプロットも接近している。
『ダ・ヴィンチ・コード』が“真実”と虚構を修飾しているのに対し、あくまでも小説の範疇としてキリスト教の暗部に迫っている。

『ダ・ヴィンチ・コード』がスリルとスピードならば、本作品は作者が創作した世界への謎解き・挑戦であろう。

この作家はまさに“怪人”である、当然『ダ・ヴィンチ・コード』に勝るとも劣らない傑作、“怪作”である。
(A+)

Leica IIIg Rangefinder Camera from Leitz Germany !!

またやってしまった、衝動買いである。
Yahoo! オークションに飽き足らず、ebayにまで足を伸ばしての落札である。
眠い目をこすりながら深夜0時41分まで起きていて執念の落札である。

もう“大暴走”は止まらない、かもしれない。

2009/06/16

小学館 BIG SPIRITS COMICS SPECIAL『電波の城8』細野不二彦 著 を読む

マンガである。

細野不二彦氏も私の好きな作家である。
出会いは『さすがの猿飛』『どっきりドクター』『Gu-Guガンモ』というところであろうか。
子供向けの作品という感じであった。

しかし、その後はだんだんとターゲット層を上げていき、青年マンガの作家となっていった。
“大人の社会”を描くと、どうしても社会の裏側を描かねばならなくなる。
『ギャラリーフェイク』あたりはまだ裏社会を描いても暗くなりすぎなかったが、本作品などはかなり裏側からアプローチしている。
最近、細野不二彦氏の作品を待ちわびる気がしなくなってきたのは、このせいなのかも知れない。

この作品はまだ序盤である。
これからどう進展していくのか、気にはなるが心配でもある。
(B+)

2009/06/14

奥秀太郎監督作品『USB』を観る

奥秀太郎監督作品『USB』を観に行った。

チラシには「愛の進化論。」なる文句が書かれていた。
奥秀太郎氏は“ゼロ世代の鬼才”なんだという。

いつも私の観る作品と違いすぎる雰囲気に、「場違いだなぁ」と思ったのは後の祭りである。

主人公のどうしようもない閉塞感はわかるのであるが、どこに「ラブストーリー」があったのだろうか、悩んでしまう。

はっきり言って無駄が多すぎるのだ。
無駄をそぎ落とし、主人公の閉塞感と恋人との関係を洗練させればもう少し見れる作品になったのではないだろうか。

あれが“新しい作品”なのであれば、“古い作品”の名画を見てみたいと思う。
(B-)

コニカミノルタプラザを訪れる

久しぶりにコニカミノルタプラザを訪れた。


コニカミノルタプラザ

〔ギャラリーA〕
中国雲南 四人展[天空の棚田 暮らす人々]
いくら“棚田”をうたった写真展にしても、第一部でこれでもかこれでもかと同じような棚田の写真を見せられて食傷気味である。
第二部以降の人物を写した写真も同じような感じの写真が数多く並ぶ。
勘弁して欲しい。
(B)

〔ギャラリーB〕
田中良晴展[夢駆ける瞬間]
なかなか見ごたえのある、サラブレッド・競馬の写真展である。
馬の躍動感、騎手の喜び、闘いの厳しさ、絵としての美しさ、どれをとっても素晴らしいと思う。
競馬誌という専門誌に連載を持つプロフェッショナルの底力を見せ付けられた思いであった。
(A)

〔ギャラリーC〕
富井義夫写真展[地球への賛歌 -世界自然遺産-] web
一枚1枚は非常に美しい写真だと思うのだけど、こうして写真展として並べられてしまうと食傷気味になってしまうのはなぜなのだろうか。
写真集だったらこうではないだろう。
写真展の展示構成の難しさを感じさせられた。
(A-)

2009/06/11

早川書房 ハヤカワ文庫『華氏451度』レイ・ブラッドベリ 著 宇野利泰 訳 を読む

本著は1975年に刊行された。

書物が禁止された近未来のファイアーマン、焚書官の物語である。
書物が禁止され、超小型ラジオや部屋の大画面テレビジョン(現在ならば脳神経に直結したAV機器になろうか)で政府に「洗脳」されている。

この作品で行われた焚書はさすがに現代では行われていないが、質の低下した読み捨ての本の数々、古典的名著も含む絶版本の多さは、“現在の焚書”と言えるのではないだろうか。

50年以上も前にこのような作品が現われたのには、作者の先見性に驚いてしまう。
もっと書籍を大切にしていこう。
(A)

2009/06/08

種村直樹氏の『日本列島外周気まぐれ列車』ゴール

種村直樹氏のライフワークの一つ、『日本列島外周気まぐれ列車』が6月6日に30年の年月をかけて見事に完結した。
当日は公募写真展『視点』の会場にいたためお祝いに伺えなかったが、私としてもとても嬉しいことである。

種村直樹氏は鉄道旅を中心に旅の楽しさを発信し続けた。
氏の紀行文を読んで旅に出かけられた読者の方も多いと思う。
氏が旅の面白さを語り続けてきたことに、JR各社を始め、民鉄、バス各社等は感謝せねばなるまい。

氏が30年前の1980年6月5日に『日本列島外周気まぐれ列車』を開始した当時は、鉄道といえば日本国有鉄道=国鉄であったし、いわゆる“赤字ローカル線”が全国各地にあり、新幹線は東海道と山陽しかなかった。
30年後の今日、国鉄は“分割・民営”化され、“赤字ローカル線”は根こそぎ廃止されるか第三セクターに衣替えをした。
全国津々浦々を走っていた急行列車、夜行列車は今や風前の灯火である。
30年の年月は国民のために鉄道をどう変えていってしまったのだろうか。

なにはともわれ、種村直樹さん、おめでとうございます。
そして次のお仕事の成功を期待しております。

集英社 集英社文庫『ああ言えばこう食う』阿川佐和子・檀ふみ 著 を読む

本著は1996年からTANTOに連載され、1998年に単行本として発刊され、2001年に文庫本として発刊されたものである。

いや、楽しい本である。
作者二人の個性豊かな文章に大笑いしてしまった。
なんでこんな魅力的な作者たちが独身でいるのだろうか、とても不思議である。

文庫本に掲載されている「文庫特別鼎談」で五木寛之氏が発言しているとおり、「この本が、たくさんの人たちに楽しく読まれた理由のひとつは、読んだあとになにも残らないことですね。これがじつにいい(笑)。」につきる。
しいて言えば爽やかな残り香がただようような気がする。

この著書の続編といえる『ああ言えばこう嫁×行く』が読みたくなってくる。
(A+)

2009/06/06

公募写真展『視点』を観る

上野の東京都美術館で開催されている公募写真展『視点』を観に行った。

今回は“自主落選”したので、人の作品をじっくりと見て歩いた。
写真展は随分と観ているが、この写真展は比較的社会派のものであり見ごたえがあった。

しかし、公募写真展はどの写真展でもそうなのだが、「なぜこの作品が」と思われるような作品が入選し、「なんでこれが入賞なんだ」と思うことがままある。
今年の『視点』は比較的それが少なかったが、疑問を感じたものが皆無というわけではなかった。

そしてこれが一番大切なのだが、2009年の今現在を写しているのだろうか、と思える作品が少なかったのが残念であった。
(A)

2009/06/05

日本放送出版協会 『もう少し知りたい人のための「ソフィーの世界」哲学ガイド』須田朗 著 を読む

本著は1996年に発刊された。

同じく日本放送出版協会から発刊された『ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙』の解説書というか、続編とでもいうものである。
『ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙』も読んでいるが、わかりやすい入門書だとは思ったのだが、その実あまり理解することが出来なかったことを思い出した。
それもあって本著を購入した次第である。

本著の目的も『ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙』の読者の疑問に答える、というところから書かれているものであるからもう少しは「哲学がわかる」ような気がした。
しかし、一度一通り読んでみても残念ながら素直に頭に入って来なかったので、二度読むことにした。
わかった気がしてきたが、もしかしたらまだ誤解かもしれない。

そもそも一、二冊の本を読むくらいで古典哲学から現代哲学までわかろうとするのは虫が良すぎるのかもしれない。

しかし、これから「哲学をやろう」と思う絶好の入門書であることには間違いはない。
(A)

2009/06/02

朝日新聞出版 『アサヒカメラ6月号』を読む

どうしてもカメラについての記事から読んでしまう。
作品についてはかなり後である。
やっぱり、カメラマニアであって、フォトグラファーではないのかもしれないな、と残念に思う。

その作品についても、何がいい作品で、どこがいいのかよくわからない。
もちろん、1枚2枚は「これはいい」と思うものもあるのだが、大作家先生の作品は特によくわからない。
私には感性が無いのであろうか。

自分の作品を見ても、嫌になってくる。
人の数だけ、フォトグラファーの数だけ作品の種類があるとは思っているのだが、人の心を捉える作品は少ない。

感動を人に与えられるような作品を作ってみたいものである。
(B+)

2009/06/01

小学館 少年サンデーコミックス スペシャル『あだち充傑作短編作品集 ショート・プログラム ガールズタイプ』あだち充 著 を読む

またまたマンガである。

本著は作家、あだち充氏の比較的初期の短編作品集である。
書名からもわかるように、少女雑誌に掲載されていた作品が集められている。

この作家の作品について“マンネリ”と以前に記したが、その“マンネリ”の原点がすでにここにある。
この作家の“マンネリ”は静止しているわけではなく、着実に進歩しているのだ。

新しい雑誌で新しく連載される作品もこの延長線にあるのだろう。

“マンネリ”も決して悪いことではないのだ。
(A)

小学館 BIG SPIRITS COMICS SPECIAL『新ブラックジャックによろしく6【移植編】』佐藤秀峰 著 を読む

またマンガである。

本著は「週刊ビッグコミックスピリッツ」に2008年から2009年に不定期連載されたものである。

本作品では医学の影の面に視線を当てている。
しかし、単なる現代医学を告発するものではなく、悩みながら成長していく主人公の姿を描いている。

今回のエピソード、移植医療は非常に難しい。
人が生きるために人を殺すのだから。
脳死が死であるのか、人が人の死をコントロールしていいのか。
生きることを望むのはエゴイズムなのだろうか。

読者は作家と共に作品を通じ悩むだろう。

これからこの作品はどう展開していくか、とてもわからない。
力のある作家が全力投球しているからこそ、読者を強く引き付けているのだろうと思う。
(A+)