sat's blog

2012/07/31

小学館 BIG COMICS SPECIAL BCS4697 『THE DISTANT DAWN はるかなる朝』星野之宣 著 を読む


本著は1975年から1978年にかけて「週間少年ジャンプ」誌、1976年に「月刊少年ジャンプ」誌、1979年に「Weekly漫画アクション増刊スーパー・フィクション」誌、1990年に「月刊ベアーズクラブ」誌に掲載された作品を2012年に単行本として発刊されたものである。

この作家の比較的初期の作品集である。
圧倒的な画力と想像力を誇る作家であるが、「新人の時もあったんだ」と納得のできる作品ばかりである。
とはいえ充分楽しめることに違いはない。
(A)

2012/07/30

小学館 BIG SPIRITS COMICS SPECIAL BCS4588 『チャンネルはそのまま!【HHTV北海道★テレビ】 5』佐々木倫子 著 を読む


本著は2011年から2012年にかけて「週刊ビッグコミックスピリッツ」誌で連載された作品を2012年に単行本として発刊されたものである。

コメディとして極めて上質な作品である。
作画など製作に手間と時間がかかる作品であるから、残念であるが毎週掲載は望むべくもない。
こういった分野では女性作家が力を発揮しているように思う。
もっと楽しませていただきたいと思う。
(A+)

2012/07/29

小学館 GAMANGA BOOKS 『三つ目がとおる 8 地下の都』 手塚治虫 著 を読む


本著は1977年に「週刊少年マガジン」で連載され、2012年に単行本として発刊したものである。

この作品は発表当時に愛読していたはずだし、その後何回か単行本化された機会に読んでいたはずなのだが、今回読んでみるとはじめて読んだ気になる。
記憶があいまいになっているのだが、そんなに印象に残る作品でなかったのかと考えてしまう。
同時期に発表された『ブラック・ジャック』や『火の鳥』は明瞭に覚えているのにこの作品はどうした訳であろうか、謎である。
(A+)

2012/07/27

小学館 GAMANGA BOOKS 『三つ目がとおる 7 古代王子ゴダル』 手塚治虫 著 を読む


本著は1976年から1977年にかけて「週刊少年マガジン」で連載され、2012年に単行本として発刊したものである。

作家は「アイデアに苦しむことはない」と生前語っていたと思う、想像力の大きさはすごい。
また、発表されてから35年も経過しているのに充分通じるアイディアの斬新さはどうだろう。
「もし」を言っても仕方のないことだが、病魔に犯されずもっと活躍してくれたのなら、もっともっと楽しめたのにと思うのだ。
(A+)

2012/07/26

河出書房新社 『よいこのための吾妻ひでお』 吾妻ひでお 著 とり・みき 監修 を読む


本著は著者の作品の中から監修者が選択したものを集め2012年に単行本として刊行された。

作家の膨大な作品群の中から作品を選択するということは監修者を表現することである。
監修者が一癖ある作家であるため大いに期待したが、果たしてそのとおりであった。
このシリーズの前2作とはずいぶんと性格が異なるものとなった。
このシリーズがさらに続いていくのかはわからないが、続くとすればかなりハードルの高いものとなるだろう。
(A)

早川書房 ハヤカワ文庫 JA1019 JAイ 7 2 『ハーモニー』伊藤計劃 著 を読む


本著は、2008年に単行本として刊行され2010年に文庫本として刊行された。

この作家の作品『虐殺器官』よりもいいのだが、かなり読むのにエネルギーを要する作品である。
なんというか、読むリズムが取れないのだ。
高い評価を得ている作品だけに、読むことに苦労したということはちょっと情けなく思う。
読み人を選ぶ作品なのであろう。
(A-)

2012/07/23

小学館 GAMANGA BOOKS 『三つ目がとおる 6 イースター島航海』 手塚治虫 著 を読む

本著は1976年に「週刊少年マガジン」で連載され、2012年に単行本として発刊したものである。

この作家は“スター・システム”を導入したことでよく知られているが、しかし、登場人物はすべて使いまわしというわけではない。
魅力的なキャラクターを産み出す力をもった作家でもあるのだ。
当然である、「マンガの神様」という称号は伊達ではないのだ。
(A+)

講談社 モーニングKC1330 『天才柳沢教授の生活 33』山下和美 著 を読む

本著は2011年から2012年にかけて「モーニング」誌で連載されたものを2012年に単行本として刊行された。

この作家の人間観察力の凄さに感服していたのだが、それを的確に表現できているという画力の凄さにも改めて気がついた。
この作品の主人公のあらゆる時代を作家は描く、それが成功しているのはそれを見事に描き分けられているからなのだ。
そういった能力はこの作家が女性であるから故なのだろうか。
研究に値することなのかもしれない。
(A+)

2012/07/22

小学館 GAMANGA BOOKS 『三つ目がとおる 5 暗黒街のプリンス』 手塚治虫 著 を読む

本著は1976年に「週刊少年マガジン」で連載され、2012年に単行本として発刊したものである。

作家の何回目かの黄金期に描かれた作品であるが、どんな傑作といえども物語が成熟する過程がある。
この作品のちょうど中ごろ、円熟期という頃なのだろう。
作家も楽しんで創作していたのではないだろうか。
(A+)

2012/07/20

小学館 GAMANGA BOOKS 『三つ目がとおる 4 怪植物ボルボック』 手塚治虫 著 を読む

本著は1975年から1976年にかけて「週刊少年マガジン」で連載され、2012年に単行本として発刊したものである。

時の流れは恐ろしいもので、この作品の記憶がほとんど残っていないので始めて目にした作品のように楽しんでいる。
しかし、もっと記憶に残るような作品だったはずなのだが…。
同時期に描かれた『ブラックジャック』はかなり覚えているんだが…。
謎である。
(A+)

徳間書店 ZENON COMICS 『コンシェルジュ プラチナム 4』藤栄道彦 著 いしぜきひでゆき 原案 を読む

本著は「月刊コミックゼノン」誌で連載された作品を2012年に単行本として発刊したものである。

この作品の登場人物が前巻で増えているのだが、あまりストーリーの展開に残念ながら影響はなかったようだ。
この作家の前作と比べて気持ち勢いが足りないように思う。
作家は迷っているのだろうか。
(B)

2012/07/19

小学館 GAMANGA BOOKS 『三つ目がとおる 3 グリーブの秘密』 手塚治虫 著 を読む

本著は1975年から1976年にかけて「週刊少年マガジン」で連載され、2012年に単行本として発刊したものである。

この作品は連載中にも単行本化されてからも何回も読んでいるはずなのだが、37年の年月を経て読み直してみると初めて読む作品のようで、記憶とはいい加減なものである。
時間を経ても作品の輝きは変わらない、これはすごいことである。
いま現在の作品で30年経って読み直せる作品がどのくらいあるだろうか。
(A+)

早川書房 ハヤカワ文庫 JA984 JAイ 7 1 『虐殺器官』伊藤計劃 著 を読む

本著は、2007年に単行本として刊行され2010年に文庫本として刊行された。

本作品はものすごく評価の高い作品である。
しかし、正直なところ読んでいてもなかなか内容が掴めず苦労した。
こういう作品が“良い作品”なのだとしたら俺の読解能力が落ちていることになる。
認めたくないことなのだが…。
もう少ししたら再読してみるか。
(B)

2012/07/17

小学館 GAMANGA BOOKS 『三つ目がとおる 2 三つ目族の謎』 手塚治虫 著 を読む

本著は1975年に「週刊少年マガジン」で連載され、2012年に単行本として発刊したものである。

この作品は何回も単行本としてまとめられたが、作家の存命中は単行本化されるたびに手が加えられたため、後年のものほど完成度が高くなっている。
作家が死去しているため作品の進化が止まった、残念なことだが致し方なかろう。
それにしても発表されてから37年も経過してもなおまだ楽しめる作品の質の高さに驚かされる。
(A+)

2012/07/12

復刊ドットコム 『のらくろ捕物帳』 田川水泡 著 を読む

本著は1968年から1974年に「丸」で連載された作品を1981年に単行本として発刊し、2012年に復刊したものである。

こんなのどかな作品が1970年あたりに発表されていたとは驚きである。
『天才バカボン』『巨人の星』『あしたのジョー』と同時期なのである。
時代が走り出していた頃、のんびりとのどかに歩んでいる作品があったのだ。
なんと素晴らしいことじゃないだろうか。
(A)

小学館 GAMANGA BOOKS 『三つ目がとおる 1 三つ目登場』 手塚治虫 著 を読む

本著は1974年から1975年にかけて「週刊少年マガジン」誌に連載され、2012年に単行本として発刊したものである。

この作品を現在の週刊誌で連載しても充分通じるのではないかと思うほどクオリティが高い。
作家が長いスランプから脱して光り輝き出す作品群の一つである。
作家が「神」と称される由縁だろう。
もうこの作品が発表されてから38年も経つとはとても信じられない。
とは言え世の中は常に動いているため時代にそぐわなくなっている部分もあることは仕方ない。
この作家が作品が刊行される度に作品に手を加えていたのは有名な事である。
おおいな努力が作家に「神」の称号を与えたのだと思う。
(A+)

2012/07/08

新潮社 新潮文庫 む-5-32 『1Q84 BOOK 3 後編』 村上春樹 著 を読む

本著は、2010年に単行本として刊行され、2012年に文庫本として刊行された。

作家は全ての謎に解答を出すことはなかった、しかし、それほどの不満はない。
BOOK 3 で牛河の物語が登場したが形として出さざるを得なかったのか、形式美の問題として疑問に残る。
しかし、主人公二人の物語がしっかりしているから問題はないのだ。
この作家の作品をしばらく読んでいくことになるのだろうと思う。
(A+)

2012/07/06

新潮社 新潮文庫 む-5-31 『1Q84 BOOK 3 前編』 村上春樹 著 を読む

本著は、2010年に単行本として刊行され、2012年に文庫本として刊行された。

作家はこの不思議な作品を二つの物語で物語るのを諦めたようだ。
この巻から三つの物語が絡み合う。
失敗というのではなく、必然なのだろう。
次は最終巻である、作家はこの不思議な物語をどう収束させていくのだろうか。
楽しみである。
(A+)

2012/07/05

新潮社 新潮文庫 む-5-30 『1Q84 BOOK 2 後編』 村上春樹 著 を読む

本著は、2009年に単行本として刊行され、2012年に文庫本として刊行された。

だんだんとこの作品を読むスピードが上がっていく、それだけ引き込まれているといるということだ。
二つの異なった物語が一つにまとまりだした、予想されたとはいえごく自然に。
作家の力量なのだろう、この不思議な物語が BOOK 3 でどのように収束し終結していくのだろうか。
非常に楽しみである。
(A+)

2012/07/04

新潮社 新潮文庫 む-5-29 『1Q84 BOOK 2 前編』 村上春樹 著 を読む

本著は、2009年に単行本として刊行され、2012年に文庫本として刊行された。

BOOK 1 から続く二つの物語に繋がりが現れた。
最後まで二つの物語が独立して続くわけはないと思っていたが。
この作品の折り返し点に来たわけだが、まだまだ謎は深まるばかりである。
作家の力量に感心しつつ作品にのめり込んでいく俺がいる。
(A+)

2012/07/02

新潮社 BUNCH COMICS 『最後のレストラン 2』藤栄道彦 著 を読む

本著は2012年に「月刊コミック@バンチ」誌で連載された作品を2012年に単行本として発刊したものである。

まあまあ楽しめるのだが、作家の『コンシェルジュ』と比べて華がない。
『コンシェルジュ プラチナム』もその傾向にあるのはこの作家にとってつらいところだ。
もう一皮剥けて欲しいところだ。
(B+)

小学館 BIG SPIRITS COMICS BC4517 『電波の城 16』細野不二彦 著 を読む

本著は2012年に「週刊ビッグコミックスピリッツ」誌で連載されたものを2012年に単行本として刊行された。

この作家は終盤に向かうこの作品をただ素直には終わらせるつもりはないようだ。
まだまだ物語に謎を仕込んでくる、したたかである。
この作品の終末がどうなるのか読まれてはいけないと思っているのであろうか。
当分楽しまさせてもらえそうだ。
(A-)