sat's blog

2012/02/23

講談社 モーニング KC2078 『BILLY BAT 8』浦沢直樹 著 ストーリー共同制作 長崎尚志 を読む

本著は2011年に「モーニング」で連載された作品を2011年に単行本として発刊したものである。


この謎だらけの物語も少しずつまとまりを見せ始めた、序章が終わったということだろうか。
この作家の作品はただで終わるはずがなく、これからも二転三転していくのだろう。
初期の登場人物は揃った、これからどう展開していくのか楽しみである。
(A)

2012/02/22

文藝春秋 文春文庫 や-22-6~9 『運命の人(一)~(四)』 山崎豊子 著 を読む

本著は2005年から2009年にかけて「文藝春秋」誌で連載され、2009年に単行本として刊行されたものを2010年に文庫本として刊行したものである。

この作家は現実の事件を取材して小説として再構築する手法を多用することから、関係者の間に議論を巻き起こすことがあるが、作家が問題意識をもった事件を世に問うのには効果的な方法であろう。
本作品で取り上げられたのは「外務省機密漏洩事件」であり、近年研究者の手によって密約の存在が確認されたものである。
国家が国民の知る権利を奪い、重要な密約を公にした新聞記者を社会的に抹殺していく恐ろしさと汚さがよくあらわされている。

しかし、これは小説でありノンフィクションではない、そこのところを読み違えると国家権力の思う壺である。

この作家、高齢ではあるものの勇気ある巨大な権力の暴走を批判し続ける姿勢は今後とも続けていただきたいものだと思う。
(AA)

2012/02/20

徳間書店 ZENON COMICS 『コンシェルジュ プラチナム 3』藤栄道彦 著 いしぜきひでゆき 原案 を読む

本著は「月刊コミックゼノン」誌で連載された作品を2012年に単行本として発刊したものである。

この作品のテンポにどうも違和感を感じてしまう、月刊誌と週刊誌のテンポの違いなのだろう。
まだこの作家は月刊誌と週刊誌のテンポの作り方に慣れていないようだ。
早く月刊誌のテンポを身に付けてもらいたいと思う。
(B)

2012/02/13

講談社 KCDX3217 『新装版 ブルーホール 2』星野之宣 著 を読む

本著は1992年に「ミスターマガジン」誌で連載された作品を2012年に単行本として発刊したものである。


この作家が描く白亜紀の恐竜たちの姿は恐竜学者たちの学説を基にしているだろうが、作家が創造力を発揮して描いているからこそ活き活きしていることは間違いない。
そういう努力があるからこそ、人間のドラマに力が宿るのだと思う。

この作家が漫画で実現していることを写真にも応用させていただこうと思う。
(A)

講談社 KCDX3216 『新装版 ブルーホール 1』星野之宣 著 を読む

本著は1991年から1992年にかけて「ミスターマガジン」誌で連載された作品を2012年に単行本として発刊したものである。


この作家は博物館で展示されている過去の生物を活き活きと書き上げる、その中に人間ドラマを持ち込むのが上手い。
この作品は20年も前に描かれたと思えない、古さを感じさせないのだ。

いつまでも元気で楽しませていただきたいものだと思う。
(A)

2012/02/07

河出書房新社 『21世紀のための吾妻ひでお』 吾妻ひでお 著 山本直樹 監修 を読む

本著は著者の作品の中から監修者が選択したものを集め2012年に単行本として刊行された。

この作品集は書店で購入するのに勇気を必要とする、アズマニアたるこの俺も数秒間思考停止したほどである。
内容に問題があるのではない、装丁に、いや監修者に問題があるからなのである。
内容はこれまで発刊されてきた単行本に未収録の作品を中心に選択されており異論がないのであるが、装丁が悪すぎるのだ。
この監修者はこともあろうか実在のモデルの写真を表紙に使ってしまった、これでは書店の平棚に並べることはほとんど不可能だろう。
昔、ビニールで丁寧に梱包されていた書籍が記憶の隅に残っていたら手にすることはできないだろう。
本著の販売数が伸びなかったとしたら全ての責任は監修者に帰することになる。
作品の可否は作品によって決められるべきだ、監修者が作り上げた装丁が足を引っ張ることがあってはならない。
内容は吾妻ひでお氏を見事に網羅した、それだけに惜しいと思う。
(A)

2012/02/01

映画『ALWAYS 三丁目の夕日 ’64』を観る

映画『ALWAYS 三丁目の夕日 ’64』を観た。

このシリーズ三作目であり、安心して観られるようになった。
『しあわせのパン』の原田知世氏がデビュー当時から変わらない透明感を持っているのに対し、「角川三人娘」の薬師丸ひろ子氏はいいオバさんになった。
これは褒め言葉である、念のため。
(A)

映画『しあわせのパン』を観る

映画『しあわせのパン』を観た。

比較的小規模な公開のわりに評判のいい映画であると聞いたが、評判に違うことのないできであった。
原田知世氏と大泉洋氏の夫婦役がいい、理想的な夫婦を演じきっていた。
ああ、あんな穏やかな場所で美味しいパンを食べたいな、と思った。
(AA)