sat's blog

2012/03/25

芳文社 Hobunsha Comics 『特攻の島 4』佐藤秀峰 著 を読む

本著は「週刊漫画TIMS」誌で連載されたものを2012年に単行本として刊行された。


この作家は思いテーマを真っ向正面から取り上げる実力のある作家だと思う。
もちろん、『海猿』『ブラックジャックによろしく』といった過去の作品の影響もあるのだろうけど。
ますます思いテーマを出版界との軋轢の中で作り上げていくエネルギーはどこから出てくるのだろう。
頑張っていって欲しい作家の一人である。
(A)

2012/03/24

講談社 アフタヌーンKC802 『カブのイサキ 5』芦奈野ひとし 著 を読む

本著は2011年から2012年にかけて「月刊アフタヌーン」で連載されたものをまとめ、2012年に単行本として発刊されたものである。


この作家は不思議な作品を描く。
前作『ヨコハマ買い出し紀行』もそうであったが、の~んびりとした空気感がなんともいえない。
その空気感が多くの読者をひきつけているようだ。
物語の進行ものんびりとしている。
こんな作品は読んでいてとても気持ちがいい。
(A)

コニカミノルタプラザを訪れる

コニカミノルタプラザを訪れた。



■コニカミノルタプラザ
〔ギャラリーA〕
西村勇人写真展「No Curiosity, No Life」
第一線の研究者たちを研究室で撮ったポートレート写真展である。
ポートレートで写る人物を際立たせるのは難しい、研究者を研究の場に置くだけではだめだ。
研究者たちにフォトグラファーが勝つためには工夫が必要だろう。
ポートレートはつくずく難しいと思う。
(B-)

〔ギャラリーB〕
池口正和写真展「東京の片隅で」
都会に住み着く野良猫の写真展である。
この作家が見ているものはあくまでも野良猫であり、野良猫を通して都会を撮るというつもりはないようだ、もったいない。
猫を撮るとしたらもっと目立つように撮ってもらわないとわかり難い、絵が弱いのだ。
残念である。
(B-)

〔ギャラリーC〕
大倉将則写真展「PRIMROSE 選んだ光景」 http://popopo.net/
人の“群れ”の写真展である。
この作家は“群れること”に違和感を感じたようだ。
人は“群れ”ると個性をなくし、幾何学的な物体になっていくようだ。
(B+)

2012/03/20

コニカミノルタプラザを訪れる

コニカミノルタプラザを訪れた。


コニカミノルタプラザ

〔ギャラリーA〕
コニカミノルタプラザ特別企画展
長倉洋海写真展「子どもたちの元気便-震災からの出発」

東日本大震災というと悲惨な光景を思い浮かべるのだが、さすがは長倉洋海氏、参加の中の人々と同じ方法で素晴らしい写真展を観せてくれた。
悲惨な状況を写すだけが大震災の報告ではないのである、子どもたちの明るく元気な姿を写すことも大きな力になることを示してくれた。
フォトグラファーたちにもっと様々なアプローチがあることを示した写真展である。
(AA)

2012/03/13

講談社 KCDX3232,3 『新装版 ムーン・ロスト 1,2』星野之宣 著 を読む

本著は2002年から2004年に「アフタヌーン」誌で連載された作品に加筆、訂正をして2012年に単行本として発刊したものである。


この作家の発想力は素晴らしい。
月をなくしてしまう、代わりに木星からエウロパを持ってきてしまう、だれがこんな大それた事を考えられるのだろうか。
その途方もない設定をリアルに描き出す力がこの作家にはある。
無論、学問的な理論ではない、作中の「理論」の構築なのであるが。
SF作品は大ボラを「理路整然」と展開する力が肝である。
もっとこの作家の大ボラに酔いたいものだと思う。
(A+)

2012/03/10

エンターブレイン 『中国嫁日記 二』井上純一 著 を読む

本著はWebで公開された作品に書下ろしを加えて2012年に単行本として発刊したものである。


やっぱり書籍じゃないと安心しないのか、Webで見ていても発売日に買ってしまう。
書下ろしがあるとはいえ不思議なことだ。
帯の文句がいい、「日中関係がおかしい」、こんなおかしさは大歓迎である。
おかしさの中にほろりとさせる、この作家はただのオタクではない。
(A+)

2012/03/07

講談社 KCDX3202 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 4』士郎正宗 原作 衣谷遊 著 を読む

本著は2011年に「月刊ヤングマガジン」で連載された作品を2012年に単行本として発刊したものである。


前回も書いていると思うが、この作品のスピード感に違和感が付きまとう。
この巻のエピソードもこれだけのページが必要なのだろうか。
改善を求めたい。
(B)

2012/03/06

講談社 KCDX3203 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX タチコマなヒビ 4』士郎正宗 原作 櫻井圭記 プロット 山本マサユキ 著 を読む

本著は2011年に「月刊ヤングマガジン」で連載された作品を2012年に単行本として発刊したものである。


相変わらずのマニアックな薀蓄がてんこ盛りである。
かなりバイアスがかかっているが、それはそれでいいと思う。
(A)

2012/03/01

映画『はやぶさ 遥かなる帰還』を観る

映画『はやぶさ 遥かなる帰還』を観た。
「はやぶさ」は競作されているが、観るのは3本目の作品になる。
『はやぶさ/HAYABUSA』にけっこう感激したのでどんなものかと思っていたが、川口氏に的を絞ったストーリーが成功していて見ごたえがあった。
「MUSES-C はやぶさ」の事実のすごさなのだろうか。
今月末には4本目も公開されるという、期待してもいいだろうか。
(A)

角川書店 『ぶらぶらひでお絵日記』吾妻ひでお 著 を読む

本著は2008年から2009年にWebで公開されたものを2012年に単行本として発刊したものである。

時間は過ぎているが同じ作家の『失踪日記』の派生作品である。
柳の下に何匹でも泥鰌がいるのは作家の力によるものである。
ずいぶんと『失踪日記』は泥鰌を飼っていたものである。
作家の日々の日記で特に事件もないが、楽しめるから良しとしよう。
(A)