病院で診察の後、エプソンイメージングギャラリー エプサイト、新宿ニコンサロン、コニカミノルタプラザを訪れた。
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エプソンイメージングギャラリー エプサイト細江英公人間写真展 春本・浮世絵うつし/きもの/鎌鼬 屏風・掛軸・写真絵巻モノクロームの「鎌鼬」、作者が30代のころ制作しただけあってエネルギッシュなものであった。舞踏を撮影するということは、その作品自体は単に写真家の著作物とは言えず、舞踏家との協力してできる作品であるということである。舞踏家のエネルギーをプリントに焼きこめるかどうか、写真家と舞踏家の闘いの結果がこの作品であるということである。
舞踏とは何か、写真とは何か、そう思いながら見るのだが、残念なことに自分自身の中に結論は得られなかった。
(A)
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新宿ニコンサロン新鋭たちの写真空間 juna21 大竹雅仁写真展 Transmigration -ベナレスにて-インドである、日本とは違い自由に人々にレンズを向けることができるようだ。子供たちの表情もいい、火葬場や遺体すら撮影できる“環境の違い”に、羨ましさと共に軽い目眩を感じる。「スナップは発展途上国に限る」、そんなことはあるまいが、「スナップは日本ではダメ」、これが悲しいかな今の日本の現状であるようだ。
21世紀初頭の日本人の記録をなくしてしまっていいものだろうか。
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新宿ニコンサロンbis新鋭たちの写真空間 juna21 内倉真一郎写真展 Parasite撮影地は新宿などのようだ。しかし、これが新宿なのか。なんだか絵が汚い。これがこの作家の持ち味なのだろうか。
作家がずけずけと写されるものの中にまるで土足で入っていく、暴力的なのである。
どうも機運が優れていないときに見る写真展ではないのである。
(B)
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コニカミノルタプラザ ギャラリーAフォト・プレミオ FOTO PREMIO 清家政人 self stillトイカメラで撮った写真展なのであるという。おそらくカメラはロシア製のLOMOだろう。
周辺の光量不足、露出の過不足、ピンボケ、ブレ、二重露光、とにかくなんでもありなのである。おまけに水平線は出ていないし、何を撮ったものかわからないものが多数ある。
これを新しい表現としてみるのだろうか。ノーフレームでラフに切り取った偶然の産物を作品というのだろうか。こうした写真展が気になって仕方がない。
(C)
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コニカミノルタプラザ ギャラリーBフォト・プレミオ FOTO PREMIO 下平竜矢写真展 「星霜連関」スクエア・フォーマットのモノクローム写真である。フィルムが大きいせいか、プリントは非常に綺麗である。また、オーソドックスなお祭りの写真展である、が、つまらないのである。
淡々とした作品が並ぶ中、盛り上がりというものがない。ただただ続くだけである。
若い作者のエネルギーを感じたかったと思う。
(B-)
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コニカミノルタプラザ ギャラリーC第9回コニカミノルタ フォト・プレミオ年度賞 受賞写真展なぜこの作品が受賞なのか、と聞かれると答えられないような3つの賞を並べた写真展である。
若々しさを感じられず、新しい表現とも思えないこの作者の作品に、どうしてこの賞の選考者は賞を出したのであろうか。
機材ばかりがどんどん発展していくなかで、写真や作家が置いてきぼりにされているように思えてくる。今の写真界は大丈夫なのか、と問われているのではないだろうか。
(B-)